ステンレス鍋でカレーは作れる?焦げ付きを抑える使い方と保存・手入れ

ステンレス鍋でカレーは作れる?焦げ付きを抑える使い方と保存・手入れ

ステンレス鍋は、カレーを煮込む鍋として使えます。ただし、焦げ付きを抑えるには、鍋の厚みや構造に加えて、炒め調理の可否と火加減を押さえることが大切です。肉や玉ねぎを炒める工程から使ってよいかは、手持ちの鍋の使用方法に合わせましょう。

市販の固形ルウで作るなら、基本は「具材を柔らかく煮る→火を止めてルウを溶かす→弱火で混ぜながら仕上げる」という流れです。私が鍋選びで重視したいのも、見た目の好みとともに、この作業を無理なくできること。作った後の小分け保存と、焦げたときの洗い方まで順に整理します。

この記事のポイント
  • 厚み・多層構造・調理量で見る鍋選び
  • 鍋の使用方法に合わせた炒め調理
  • 火を止めてルウを溶かし、弱火で仕上げる手順
  • 小分け保存と鍋底まで混ぜる温め直し
目次

ステンレス鍋でカレーを作るときの選び方と焦げ付き対策

カレー用なら厚み・多層構造・作る量を見る

カレー用なら厚み・多層構造・作る量を見る

カレー向けの鍋を選ぶなら、まず見たいのは厚みです。ハウス食品は、長時間煮込む料理には厚手の鍋が向くと説明しています。熱が平均して伝わり、保温性もよいため、途中で材料を加えたときの温度変化が穏やかになるからです。

ステンレスという素材名だけで選ぶより、厚手かどうかまで見ると、煮込みに使う目的に合った比較ができます。

一方、ステンレスそのものは熱伝導率が低く、熱ムラによる焦げ付きに注意が必要な素材です。この性質と、アルミニウムなどを組み合わせた多層鍋の特徴は分けて考えましょう。たとえばビタクラフトは、ステンレスとアルミニウムを鍋全面に重ね、熱を伝えやすくするとともに保温性を持たせた構造を説明しています。

「ステンレス鍋ならどれも同じように熱が回る」とは考えないのが選び方のポイントです。

選ぶときの基準カレー作りとの関係判断のポイント
鍋の厚み厚手は熱が平均して伝わり、温度変化が穏やか煮込みやすさと重さの両方を見る
多層構造の有無・範囲アルミなどを組み合わせて熱の伝わり方を補う構造がある素材名に加えて、底だけか全面かを見る
作る量との釣り合い少量調理では小さめの鍋が案内されている大きさだけを優先せず、普段作る量に合わせる

厚みやサイズが増すほど重くなる点も、毎日使う道具として見逃せません。また、ハウス食品は少量のカレーには小さめの鍋を使い、焦げに注意するよう案内しています。大きい鍋を一つ選べばすべて解決、というわけではないんですね。私は、普段の仕込み量と持ち扱いやすさを軸に、厚みや構造を比べたいと思います。

肉や玉ねぎを炒めてよいかは鍋の使用方法で決める

カレーのレシピに「鍋で具材を炒める」とあっても、手持ちのステンレス鍋でそのまま行えるとは限りません。和平フレイズは、ステンレス鍋での炒め調理について、鍋が高温になって空だきと同じ状態となり、油の焦げ付きや鍋底の変色・変形につながるとして、フライパンなどで炒めてから鍋に移す方法を勧めています。

このような案内のある鍋なら、肉や玉ねぎを炒める工程はフライパンに任せ、ステンレス鍋を煮込みに使えばよいわけです。洗い物を一つにまとめたいところですが、鍋の禁止事項を押してまで一つで仕上げる必要はありません。

買う前に一鍋で作れるかを判断したい場合も、素材の表示だけでなく、炒め調理が認められているかを選択基準にしましょう。

なお、予熱を案内している製品でも、強く熱すればよいわけではありません。ビタクラフトのステンレス鍋・フライパンの使い方では、調理開始時や予熱は中火、その後は中火から弱火で調節するとしています。また、ガス・IHともに強火、つまり最大火力の使用を禁じています。

この予熱方法を、炒め調理を禁止している別の鍋へ当てはめないことも大切です。

ルウを入れる前に具材を柔らかく煮る

ルウを入れる前に具材を柔らかく煮る

具材を煮る段階では、火を強め続けるより、レシピの火加減と具材の状態を目安に進めましょう。ハウス食品の基本レシピは、水を加えて沸騰したらあくを取り、弱火から中火で約15分、具材が柔らかくなるまで煮込む流れです。にんじんに竹串がすっと通るくらいを目安にしています。

約15分という時間は、この基本レシピの目安です。時間が来たからすぐルウを入れる、と区切るより、具材が柔らかくなっているかを見て次へ進むと、手順の意味がわかりやすくなります。ルウを溶かして仕上げる工程に入る前に、まず野菜を煮る工程を終える、という順番です。

あく取りでは、うまみの油や水分を取りすぎないようにする案内もあります。

ステンレス鍋の焦げ付きが気になるときは、この段階の火力も見直したいところ。和平フレイズは、強火で調理すると焦げ付きやすいと説明しています。ガスの炎が鍋底からはみ出すほどの火力は、取っ手が焦げる原因にもなります。沸騰後も大きな炎のまま煮続けず、弱火から中火で具材に火を通す流れを意識しましょう。

ルウは火を止めて溶かし、弱火で混ぜながら仕上げる

固形ルウを入れるときは、いったん火を止め、沸騰がおさまってから割り入れてよく溶かします。「熱いほうが早く溶けそう」と感じますが、ハウス食品のFAQでは、高温で煮えているところへルウを加えると、小麦粉が膜を作って溶けにくくなると説明しています。

火を止めるのは、鍋の中の温度を下げて溶かしやすくするためです。

溶かした後は、再び弱火にかけ、ときどきかき混ぜながらとろみがつくまで煮込みます。ハウス食品の基本レシピでは、この仕上げを約10分としています。火を止めてルウを溶かす工程と、その後に弱火で煮込む工程は別です。火を止めたまま溶かすだけで完成、と読み替えないようにしましょう。

  1. 具材が柔らかくなったら、いったん火を止める
  2. 沸騰がおさまってからルウを割り入れ、よく溶かす
  3. 再び弱火にかけ、ときどきかき混ぜながらとろみがつくまで煮込む

この手順は、市販の固形ルウを使った基本のカレーの話です。具材を煮るときの弱火から中火を、そのまま仕上げまで続けるのではなく、ルウを入れた後は弱火へ切り替えるのが要点。鍋の構造だけに焦げにくさを任せず、ルウの前後で火加減を変え、混ぜるところまで一組で覚えておくと取り入れやすいですよ。

ステンレス鍋で作ったカレーの保存・温め直しと手入れ

残ったカレーは鍋を保存容器にせず移し替える

残ったカレーは、ステンレス鍋に入れたまま保存するより、別の容器に移すのを基本にしましょう。和平フレイズは、調理後の内容物を鍋に保存するとサビの原因になるとして、速やかに他の容器へ移すよう案内しています。ビタクラフトも、鍋に料理を入れたままにしたり、保存容器として使ったりしないよう求めています。

ここでは、鍋の傷みと食品の保存を分けて考えると迷いません。鍋については、塩分や酸などを含む汚れを付けたまま放置すると、サビにつながります。カレーについては、常温で長く置かず、保存するなら早く冷ます必要があります。

ふたをして鍋ごと残しておく方法では、この二つの課題をまとめて解決できるわけではありません。

調理中に温度が下がりにくいことは、煮込み鍋を選ぶときの魅力です。ただ、保存に移る段階で必要なのは、できるだけ早く冷ますこと。調理と保存では、求める扱い方が変わります。翌日分まで作るなら、盛り付ける食器と一緒に保存容器も用意しておく、という段取りにすると、鍋を片付ける流れも考えやすくなります。

保存分は浅い容器に小分けし、早く冷まして冷蔵・冷凍する

保存分は浅い容器に小分けし、早く冷まして冷蔵・冷凍する

カレーを保存するときは、底の浅い平たい容器や保存用の袋に小分けし、あら熱をできるだけ早く取って、速やかに冷蔵庫か冷凍庫へ入れます。農林水産省は、常温のまま放置せず、できるだけその日のうちに食べきることを基本としたうえで、この保存方法を案内しています。

「一晩置いてから冷蔵庫へ」という段取りにはしないでください。

気を付けたいのは、煮込み料理で食中毒の原因になるウェルシュ菌です。この菌は熱に強い芽胞を作るため、通常の加熱調理でも生き残ります。農林水産省によると、増えることのできる温度帯は約12〜50℃とされ、常温で長時間放置すると増殖してしまいます。

よく煮込んだから保存中も安心、とはいえない理由がここにあります。

小分けには、中心まで冷めやすくする意味があります。農林水産省が紹介する実験では、鍋ごと冷蔵した場合より、小分けして冷蔵した場合のほうが速く冷めました。ただし、これは一例で、どのカレーも同じように温度が下がるという保証ではありません。

決まった放置時間を設けるより、浅く分けて早く冷ます扱いを重視しましょう。

温め直しは鍋の使用方法に従って火力を調節し、鍋底まで混ぜて中心までしっかり加熱する

保存したカレーを鍋で温め直すときは、鍋の使用方法に従って火力を調節し、よくかき混ぜながら中心までしっかり加熱します。ビタクラフトのステンレス鍋・フライパンの使用案内では、カレーなどを強火で急激に再加熱すると、内容物が突然噴き出す「突沸」が起こる場合があると注意しています。

同社製品では、温め直しや煮立てる際によくかき混ぜながら弱火で温めるよう案内されています。

混ぜ方では、表面だけを動かさず、おたまで鍋底までかき混ぜることがポイントです。農林水産省は、とろみのあるカレーなども、よく混ぜることでまんべんなく加熱できると説明しています。鍋底まで混ぜることに加え、中心までしっかり加熱することも大切です。表面が温まっただけで終えず、中心まで十分に加熱しましょう。

また、温め直しを、保存中の扱いを帳消しにする方法にはできません。ウェルシュ菌の芽胞は熱に強く、通常の加熱だけで死滅させることは困難とされています。保存時に菌を増やさないことと、食べる前に中心まで加熱することを、続けて行うのが大切です。

鍋の素材を変えることより、この保存と再加熱の流れを守ることに目を向けましょう。

焦げ付きはお湯でふやかし、柔らかい道具で落とす

焦げ付きはお湯でふやかし、柔らかい道具で落とす

カレーが焦げ付いてしまったら、まずお湯で焦げをふやかし、スポンジなどの柔らかい道具で落とします。和平フレイズは、ステンレスの表面を傷付ける原因になるため、金属製の硬いものを使わないよう案内しています。固くこびり付いた焦げを、力任せに削り取るところから始めないのが基本です。

お湯でふやかしても残る頑固な焦げに対し、同社はクリームクレンザーでこすり落とす方法を紹介しています。その際、丸めた食品用ラップに付けると、スポンジのように研磨成分を吸収しないため効果的としています。これは和平フレイズのステンレス鍋のお手入れ案内です。

手持ちの鍋で研磨剤や道具の指定がある場合は、その指定に合わせて使うものを決めましょう。

焦げが取れた後や普段のお手入れは、柔らかいスポンジと中性洗剤で十分に洗い、水気を拭き取ってよく乾燥させ、換気のよい場所にしまいます。汚れや湿気を残さないところまでが片付けです。

ステンレスはサビに強い素材でも、塩分や酸を含む汚れを付けたままにしたり、湿気の多い場所に保管したりするとサビの原因になります。

なお、洗った後に見える虹色の変色は、焦げ付きとは別の場合があります。和平フレイズは、水道水中の微量成分が表面に付着して虹色に見える現象について、有害なものではなく使用上の問題はないと説明しています。

色が付いているだけで焦げと決めつけず、こびり付きなのか変色なのかを見分けると、不要に強くこすることも避けやすくなります。

ステンレス鍋でカレーを作るときのまとめ

この記事のまとめです。

  • カレーを煮込む鍋は、素材名に加えて厚みや多層構造を見る
  • 少量のカレーには小さめの鍋を選び、厚みと重さの釣り合いも考える
  • 炒め調理を禁止している鍋では、フライパンで炒めてから移す
  • ルウを入れる前に、レシピの火加減で具材を柔らかく煮る
  • 固形ルウは火を止め、沸騰がおさまってから割り入れて溶かす
  • ルウを溶かした後は弱火で、ときどき混ぜながらとろみがつくまで煮込む
  • 残ったカレーは別の容器へ移し、鍋を保存容器にしない
  • 保存分は浅い容器などに小分けし、早くあら熱を取って冷蔵・冷凍する
  • 再加熱は鍋の使用方法に従って火力を調節し、鍋底まで混ぜて中心までしっかり加熱する
  • 焦げはお湯でふやかして柔らかい道具で落とし、洗った鍋は十分に乾かす
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この記事を書いた人

はじめまして、トントンです。
20代はほぼ料理をせず、30代前半でやっと自炊デビュー、安物買いの失敗を重ねて道具を見直し、今はキッチン道具沼にどっぷりハマっている40代のいちユーザーです。
「自分にぴったりの一品」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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