包丁でじゃがいもの皮をむくなら、まずは縦方向に一周むき、残った両側の皮をむくという順序を覚えると、作業の流れをつかめます。薄さだけを追わず、表面に角が残らないように整え、芽は周囲も含めて取り除きましょう。皮をむき終えたら、水にさらすところまでが下ごしらえです。
道具選びが好きな私ですが、この作業では「全部を同じ道具で済ませること」より、皮むきと芽取りをそれぞれ終えられるかを大切にしたいです。包丁でむく基本を押さえたうえで、ピーラーを使う方法も選べます。まず包丁の手順を、そのあとで食べる前に見ておきたい状態別の判断をまとめます。
- 包丁で縦に一周してから両側をむく順序
- 角を残さない皮むきと芽の周囲までの処理
- 芽取りの有無で考えるピーラーとの使い分け
- 緑色部分・苦味・未熟ないもの判断
包丁で行うじゃがいもの皮むきの基本手順
最初に洗って水気を切り、皮の状態を見る

最初は皮をむかずに、じゃがいもを水洗いします。カゴメは、柔らかい布などでこすりながら汚れを落とす方法を紹介しています。デリッシュキッチンの手順でも、皮をよく洗って水気を切ることから始めています。土が付いたまま包丁を入れるのではなく、洗う工程を先に済ませましょう。
洗ったら、芽がある場所と、皮が緑色になっている場所を見ます。どちらも通常の皮むきとは別に、周囲を含めた処理が必要です。農林水産省は、買う段階では芽が出ていたり、皮に緑色の部分があったりするじゃがいもを選ばないよう案内しています。
これから買うなら、むき方の工夫より先に、状態のよいものを選ぶのが出発点です。
むき終えたじゃがいもを入れる、水を張ったボウルも用意しておきます。包丁でむく方法でもピーラーでむく方法でも、デリッシュキッチンでは最後にボウルの水へ入れています。「洗う→水気を切る→皮をむく→芽を取る→水へ入れる」と、まず全体の順序を押さえておくと、途中の工程を整理できます。
右手に包丁を持つ場合は、縦に一周してから両側をむく
むく方向に迷うなら、クラシルが男爵いもで紹介している方法が参考になります。左手にじゃがいも、右手に包丁を持ち、縦方向に一周むいてから、残った両側を縦方向にむく手順です。初めから全面を一度にむこうと考えず、「一周する部分」と「あとに残る両側」に分けて捉えましょう。
- 左手に男爵いもを持ち、右手に包丁を持つ。
- 縦方向に一周、皮をむく。
- 両側に残った皮も、縦方向にむく。
- 芽を取り除く工程へ進む。
じゃがいもを回しながらむく動きについて、デリッシュキッチンは右手の親指でじゃがいもの皮と包丁をおさえながら回す方法を紹介しています。むく順序と手の動きは、別々に考えると整理しやすいところです。順序は「縦に一周、次に両側」、仕上がりは「角を残さない」を目印にします。
文章だけでは手の位置をイメージしづらい場合は、クラシルの男爵いもの皮むき手順も参考になります。ここで説明しているのは右手に包丁を持つ場合です。皮が長くつながるかどうかより、むき残した両側まで処理する順序を覚えていきましょう。
皮は薄さだけを追わず、角が残らないように整える

「皮は薄いほど上手」と考えがちですが、じゃがいもの基本のむき方では、厚めにむいて表面をなめらかにする方法が紹介されています。カゴメは面取りをしながらむくことを、デリッシュキッチンも角が残らないようにむくことを挙げています。どちらも、角が煮くずれの原因になるという説明です。
ここで見たいのは、むき終えた表面に角が残っていないかです。特に煮る料理の下ごしらえなら、皮を取り除くだけでなく、表面の形にも目を向けましょう。ただし、角をなくせば必ず煮くずれない、という意味ではありません。皮むきの段階でできる仕上げとして、なめらかに整えると捉えるのがよさそうです。
一方、緑色の部分があるときの「厚めにむく」は、形を整えるための面取りとは目的が違います。農林水産省は、緑色の部分がなくなるまでむき、その周囲もしっかりむくよう案内しています。全体を同じ厚さにそろえることより、該当する部分を残さないことが判断の中心になります。
通常の仕上げと、緑色部分の処理を混同しないようにしましょう。
くぼみにある芽は、根元と周囲も含めて取り除く
表面の皮をむき終わっても、芽の処理は残ります。芽があるところは、突き出した部分だけでなく、根元と周囲も含めて取り除きましょう。カゴメは芽を根元から取ること、農林水産省は芽のまわりの部分も含めて除くことを案内しています。くぼみに芽が残っていないかまで見て、皮むきの仕上げにします。
包丁を使う手順では、クラシルは包丁のあご、デリッシュキッチンは刃元を使う方法を紹介しています。デリッシュキッチンでは、芽のある部分へ刃元を斜めに入れて取り除く流れです。皮をむく工程と芽を取る工程を分けて覚えると、「皮がなくなったから終わり」と取り違えずに済みます。
芽取り機能のある皮むき器を使う方法もあります。ただし、どの道具で取る場合でも、芽の周囲を含めて除くという基準は同じです。道具を選ぶときは、皮をむけるかに加えて芽取りが付いているかを見ると、作業に必要なものを整理できます。ピーラーとの使い分けは、次の章でまとめます。
じゃがいもの皮むきで知っておきたい包丁の使い分けと注意点
包丁とピーラーは、皮むきと芽取りの方法で選ぶ
包丁でむく方法を覚えたいときは、前章の順序で進めればよいですし、皮をむく道具としてピーラーも使えます。デリッシュキッチンでは両方の方法を紹介しています。ピーラーはじゃがいもに刃を当て、上から下へ動かしてむく手順です。包丁で回しながらむく方法とは、道具を動かす方向が異なります。
| 選ぶときの観点 | 包丁 | ピーラー |
|---|---|---|
| 皮をむく動き | じゃがいもを回しながらむく方法がある | 刃を当てて上から下へ動かす |
| 仕上げの説明 | 厚めにむき、角を残さないように整える | 皮むき後、芽があれば別に取り除く |
| 芽を取る部分 | 包丁の刃元 | 脇の耳にある芽取り |
| 芽取りが付いていない場合 | 刃元で処理する | 包丁の刃元で処理する |
ピーラーを使うなら、芽取りの有無が具体的な分かれ目です。芽取りが付いていればその部分を使えますが、付いていなければ、紹介されている手順では包丁の刃元で処理します。「ピーラーを用意したら包丁は必ず不要」とは限りません。私は、道具の数を先に決めるより、この二つの作業をどう終えるかで考えたいです。
むいた後はすぐ水にさらし、10分ほどでざるへ上げる


皮をむいたじゃがいもは、そのまま置かずに水にさらします。カゴメは、皮をむいたままにすると赤っぽく変色するため、すぐ水にさらし、10分ほどでざるに上げるとしています。時間は目安として捉え、皮むきが終わった後のひと続きの作業にしましょう。
デリッシュキッチンでも、包丁・ピーラーのどちらの手順も、芽を取った後に水を張ったボウルへ入れます。道具を替えたからといって、むいた後の扱いまで変わるわけではありません。皮と芽の処理を終えて水へ入れ、カゴメの目安なら10分ほどでざるへ上げる、という流れです。
なお、この水にさらす工程は、ここでは変色を防ぐための下ごしらえです。芽や緑色の部分を取り除く代わりにはしません。水に入れる前に必要な処理を済ませることと、むいた後の色の変化を抑えることは、それぞれ別の工程として覚えておくと迷いません。
緑色は周囲までむき、苦味やえぐみがあれば食べるのをやめる
皮に緑色の部分がある場合は、その部分がなくなるまでむき、周囲もしっかりむきます。農林水産省が示している基準は、単に表面の皮を一枚取ることではありません。通常の皮むきが終わったように見えても、緑色が残っていれば処理を終えないことが大切です。
「あとで加熱するから大丈夫」とは考えないようにしましょう。農林水産省によると、じゃがいもをゆでてもソラニンやチャコニンは分解せず、量は減りません。また、加熱によって含有量が確実に減ることも期待できないとしています。ゆでる予定でも、皮や芽の処理を省く理由にはなりません。
苦味やえぐみを感じたら、それ以上は食べないでください。 農林水産省は、じゃがいもだけでなく、一緒に調理した他の食材も含めて食べるのをやめるよう案内しています。
皮むきで対処する段階と、食べるのをやめる段階は分けて考えましょう。調理前は芽とその周囲、緑色の部分とその周囲を取り除くこと。食べて苦味やえぐみを感じた場合は、その料理を食べ進めないことです。詳しい案内は農林水産省「じゃがいもによる食中毒を予防するために」でも読めます。
新じゃがも皮むきが基本、家庭菜園の未熟ないもには注意


新じゃがのように皮が薄いものでも、皮付きにするか迷ったら、できるだけ皮をむいて食べるという農林水産省の案内を基本にしましょう。芽や緑色の部分がなく、適当な大きさまで成熟したものにも、微量のソラニンやチャコニンは含まれます。皮をむくことで、摂取する量を減らせるとされています。
新じゃがは、水分が多く長期保存に向かないことに加え、皮が薄いため緑色になりやすいとされています。薄い皮だから状態を見なくてよい、というわけではありません。じゃがいもは必要な量を購入し、暗く涼しく、通気性のよい場所で保存するのが農林水産省の案内です。買ってからの扱いも、むく前の状態につながります。
家庭菜園のじゃがいもは、未熟なものが含まれる場合があります。農林水産省は、未熟かどうかを見た目で判断するのは難しく、心配な場合は一度にたくさん食べたり、皮ごと食べたりしないよう案内しています。また、未熟ないもは食べないようにとしています。
「皮をむいたから、どんないもでも食べられる」とは捉えないでください。
小ささの判断にも条件があります。熟しても小さい品種があるため、大きさだけでは未熟かどうかを判断できません。一方、同じ品種のほかのいもに比べて明らかに小さいものは、食べないよう農林水産省が案内しています。
市販の小さなじゃがいもと、家庭菜園で育ち切っていないいもを、見た目のサイズだけで一括りにしないことが大切です。
包丁で行うじゃがいもの皮むき方法のまとめ
この記事のまとめです。
- 皮をむく前によく洗って汚れを落とし、水気を切る。
- 右手に包丁を持つ男爵いもの手順は、縦に一周むいてから、残った両側を縦にむく。
- 皮の薄さだけを追わず、厚めにむいて角のない表面に整える。
- 芽は突き出した部分だけでなく、根元と周囲も含めて取り除く。
- ピーラーは芽取りの有無も見る。芽取りがない場合は、紹介した手順では包丁の刃元を使う。
- むいた後は変色を防ぐためすぐ水にさらし、カゴメの目安では10分ほどでざるに上げる。
- 緑色の部分はなくなるまでむき、その周囲もしっかりむく。
- 加熱による毒素の確実な減少は期待できない。苦味やえぐみがあれば、一緒に調理した食材も含めて食べるのをやめる。
- 新じゃがも、できるだけ皮をむいて食べることを基本にする。皮が薄く緑色になりやすいため、状態を見る。
- 家庭菜園の未熟ないもは食べない。大きさだけで判断せず、同じ品種のほかのいもより明らかに小さいものにも注意する。









