鉄フライパンの油ならしに使う油の種類は?サラダ油・こめ油・オリーブ油の選び方

鉄フライパンの油ならしに使う油の種類は?サラダ油・こめ油・オリーブ油の選び方

鉄フライパンの油ならしで迷ったら、まず候補になるのはサラダ油・なたね油・こめ油です。岩鉄鉄器は、これらにごま油などを含めた「半乾性油」を、油をなじませる工程で勧めています。特別な油をそろえるより、普段使う油から選ぶところから始められます。

ただし、オリーブオイルを使えるか、油をどれだけ入れて何分熱するかは、メーカーの案内によって違います。油の種類を選ぶ話と、手元のフライパンに合う手順を知る話。この二つを分けて、使い始めから調理前のお手入れまで見ていきましょう。

この記事のポイント
  • サラダ油・なたね油・こめ油を中心にした油選び
  • メーカーの案内で判断するオリーブオイルの使用
  • 乾性油のなじみやすさと加熱用途の区別
  • 製品ごとに異なる油ならし・油返しの手順
目次

鉄フライパンの油ならしに使う油の種類と選び方

迷ったらサラダ油・なたね油・こめ油を候補に

迷ったらサラダ油・なたね油・こめ油を候補に

油ならし用として最初に考えたいのは、サラダ油やなたね油、こめ油。岩鉄鉄器は、油のなじみやすさを説明する中で、これらを半乾性油に分類し、コストパフォーマンスの面からも勧めています。普段オリーブオイルしか使わない人にも、なじませる工程ではサラダ油などを使う案内です。岩鉄鉄器の油選びの解説

ごま油やコーン油も、同社が半乾性油として挙げている候補です。「サラダ油がないから、必ず油ならし専用の油を買わなくては」と考える必要はありません。家にある油を確かめたうえで、フライパン側に油の指定があれば、その案内に合わせて選びましょう。

ここで、こめ油だけを「最も焦げ付かなくなる油」と順位付けする必要はありません。岩鉄鉄器は複数の油を候補として示しており、この中で性能の順位を付けているわけではないからです。私なら、まず普段の調理でも使う油を候補にします。油ならしのためだけに、使い慣れない一本を増やさずに済む選び方です。

乾性油・半乾性油・不乾性油は何が違う?

油選びで出てくる「乾性油」「半乾性油」「不乾性油」は、油の性質による分類です。岩鉄鉄器は、成分中の二重結合の多さを表す「ヨウ素価」によって三つに分け、乾きやすい油のほうが取れにくく、鉄フライパンになじみやすいと説明しています。

分類岩鉄鉄器が挙げる油の例油ならしでの見方
乾性油アマニ油、えごま油、グレープシードオイルなじみやすい候補。ただし加熱しすぎると劣化が進むものもある
半乾性油なたね油、コーン油、サラダ油、ごま油、こめ油なじみやすさに加え、コスト面でも同社が勧める候補
不乾性油オリーブ油、ラード同社はなじみにくいと説明。調理への使用は禁止していない

また、岩鉄鉄器は「フライパンが育つ」ことを、なじんだ油が乾いて硬化することを繰り返すものと説明しています。この分類は、油をなじませる工程を考える手掛かり。ただし、分類だけで加熱用途への適否まで決めず、油そのもののメーカーの使い方も合わせて見ることが大切です。

オリーブオイルは使える?メーカーの案内で判断

オリーブオイルは使える?メーカーの案内で判断

オリーブオイルを、鉄フライパン全般で「使ってはいけない油」とするのは適切ではありません。岩鉄鉄器は、不乾性油はなじみにくいとしつつ、使用禁止ではなく、料理に使っても問題ないと説明しています。油ならしで積極的に勧める油と、調理に使える油は区別されています。

一方、南部鉄器のOIGENは、鉄鍋・鉄フライパンの使い始めの油慣らしに準備するものとして、「なたね油やオリーブオイルなどの食用植物油」を挙げています。こちらでは、オリーブオイルも油慣らしに使う油の例です。OIGENの使い始めの案内

選ぶ場面では、手元のフライパンの案内を優先しましょう。OIGENの該当案内に沿って準備するならオリーブオイルも選択肢です。岩鉄鉄器の勧めに沿ってなじませる油を選ぶなら、サラダ油などの半乾性油が候補になります。

メーカーごとの違いを、「オリーブオイルは全面的に不可」という一つの結論にまとめないことがポイントです。

アマニ油・えごま油を油ならし用に用意するべき?

「乾性油はなじみやすいなら、アマニ油やえごま油が一番よいのでは?」と思うかもしれません。ただ、油ならし用にわざわざ用意する前に、加熱についての案内を確かめたい油です。岩鉄鉄器も、乾性油の中には加熱しすぎると劣化が進むものがあるとして、半乾性油のコストパフォーマンスを評価しています。

例えば、日清オイリオは「日清アマニ油」の加熱調理を勧めていません。炒め調理などで熱を加えると生臭いにおいが出て、食べるのに適さないという案内です。J-オイルミルズも、同社のえごま油・アマニ油の使い方で、熱や光に弱く酸化しやすいため加熱調理に適していないと説明しています。

日清オイリオのFAQ、J-オイルミルズの使い方案内

そのため、加熱向きではないと案内されている油を、なじみやすさだけで油ならし用に選ぶのは避けましょう。迷っている段階なら、サラダ油やなたね油、こめ油といった候補に戻れば十分です。「乾性油を使わないと育たない」と構える必要はありません。

なお、「アマニ油入り」という表示だけで、すべてを同じ扱いにもできません。日清オイリオは「日清キャノーラ&アマニ油」について、アマニ油になたね油をブレンドし、加熱調理に適した食用油にしていると説明しています。

これは当該商品の加熱調理についての案内であり、鉄フライパンの油ならしに最適だと保証する説明ではありません。

鉄フライパンの油ならしは油の種類と製品別の手順を合わせる

油ならしと油返しの違い、初回の処理が不要な場合

油ならしは、フライパンの表面に油をなじませ、薄い油の膜をつくる作業です。和平フレイズは、焦げ付きにくくするため、特に初めて使うときに行うものとして紹介しています。これに対して油返しは、調理前の準備。リバーライトは、内面全体の温度を均一にし、表面に油をしっかりなじませることが目的だと説明しています。

作業主に行う場面案内されている目的
油ならし初めて使う前など表面に油をなじませ、薄い油膜をつくる
油返し調理を始める前内面の温度を均一にし、表面に油をなじませる

また、鉄フライパンなら新品時に必ず同じ処理が必要、というわけでもありません。藤田金属のハードテンパー加工は、初めから油がなじんだ状態にする同社独自の加工で、届いたらさっと洗って使用できると案内されています。同じお手入れページでも、クリアー焼付塗装の製品には初回使用前の油ならしが案内されています。

初回の油ならしが不要でも、調理前の油返しまで不要とは限りません。藤田金属はハードテンパー加工の製品にも、油が十分になじむまでの油返しを案内しています。使い始めに見るべきなのは、鉄製かどうかに加えて、その製品の表面加工と取扱説明です。藤田金属のお手入れ方法

油の量・加熱時間・野菜を炒める工程は製品に合わせる

油の量・加熱時間・野菜を炒める工程は製品に合わせる

油ならしの量や時間は、別メーカーの数値を組み合わせず、一つの案内に沿って行います。例えばリバーライトの極フライパンでは、最初に内外を中性洗剤で洗ってよくすすぎ、油を鍋の深さの約3分の1まで入れて、弱火で5分ほど加熱する手順です。

その後は火を止め、油をオイルポットなどに戻し、内側に残る油をキッチンペーパーなどで鍋肌全体にすり込むように拭きます。同社の極フライパンは、油ならし前の「から焼き」は不要です。ネットで見かけた別製品の準備を、そのまま足す必要はありません。リバーライトの取扱説明

一方、和平フレイズのお手入れ記事では、洗剤で洗って中火で2〜3分加熱し、水気を完全に飛ばした後、火を止めて油を1/2〜1カップ入れる流れです。そこから弱火で3分程度加熱し、火を止めて余分な油を戻して拭き取ります。

リバーライトの「弱火で5分ほど」とは異なる案内なので、時間だけを抜き出して共通の正解にはできません。

野菜を炒める工程にも違いがあります。和平フレイズは、金気が気になる場合に野菜くずを炒めるよう案内しています。対してOIGENは、たっぷりの油で葉野菜を炒めることを、使い始めの油慣らしの手順に組み込んでいます。「野菜は必須」「野菜は不要」と、全製品を一括りにしないようにしましょう。

  1. OIGENの案内では、まず鍋肌のほこりを水で流し、布巾で軽く拭いて中火で水気を飛ばします。
  2. 油と葉野菜を入れ、鍋肌に油がなじむように炒めます。
  3. 火を止めて葉野菜を取り出し、手で触れられる程度に冷めてから、たわしと温水で余分な油を洗い流します。
  4. 中火で水気を飛ばします。空焚きのしすぎに注意し、油と葉野菜を入れる工程から水気を飛ばす工程までを3回ほど繰り返します。

OIGENは、ミトンや鍋つかみを使い、やけどに注意するよう案内しています。特に洗う場面では、高温の鉄器に水をかけると蒸気が激しく上がるおそれがあるため、冷ます条件を省かないでください。油の種類だけでなく、火を止めるタイミングや洗う前の温度も、手順の一部です。

調理前の油返しと、余った油の扱い方

油返しでは、多めの油をなじませた後、余分な油を戻し、調理に必要な量の油を入れて料理を始めます。初回の油ならしに入れた油や、油返しに使った油を、すべてそのまま調理に使う手順ではありません。なじませるための油量と、料理に使う油量を分けて考えます。

リバーライトの極フライパンの場合は、中火で十分に温め、お玉一杯ほどの油を入れて鍋肌になじませます。油が熱くなって十分になじんだらオイルポットに戻し、その後に調理用の油を入れる流れです。油ならしのときの「鍋の深さの約3分の1」と、毎回の油返しの「お玉一杯ほど」は、別の作業に対する目安です。

和平フレイズの案内では、油返しに使う油は大さじ3程度で、弱火で3分程度加熱してなじませます。火を止めて余分な油をオイルポットなどへ戻し、その後に必要な量の油を入れて調理を始めます。ここでも、初回の油ならし用の量とは分けて案内されています。

油返しを続ける期間も一律ではありません。リバーライトは毎回使う前の準備として案内していますが、藤田金属は、対象の鉄フライパンで油が十分になじめば不要とし、使用開始から1か月程度を目安に挙げています。この期間だけを、すべての鉄フライパンに当てはめないようにしましょう。

油を変えても焦げ付くときは、油量・火加減・手入れを見直す

油を変えても焦げ付くときは、油量・火加減・手入れを見直す

サラダ油からこめ油へ替えても焦げ付くなら、油の種類以外にも目を向けましょう。和平フレイズは、油ならし不足のほか、調理時の油不足、強すぎる火力、焦げの落とし残しなどを原因として挙げています。使い始めは少し多めの油で調理し、火加減を控えめにするという案内です。和平フレイズの焦げ付き対策

同じ場所で何度も焦げる場合は、焦げが完全に取れていない可能性もあります。別の油を追加して済ませず、まず残った汚れを落とすことが必要です。また、リバーライトは、調理で油からどんどん煙が出る状態を温度が高すぎるものとして注意しています。「鉄だから強火で熱し続ければよい」とは考えないでください。

IHでは急激な加熱にも注意が必要です。和平フレイズは、出力を弱から中へ徐々に上げ、中火以下で使うよう案内しています。少量の油では短時間で発火点に達するおそれがあるという注意もあるため、油をなじませようとして出力を強くする方法は勧められません。

使い終わった後の手入れも、製品の案内に沿って行います。例えば藤田金属は、洗った後に火にかけて水気を飛ばし、キッチンペーパーなどで油を薄く塗るよう案内しています。このときはフライパンがまだ熱いため、やけどへの注意が必要です。

油ならしで多めに入れる場面と、保管前に薄く塗る場面を混同しないようにしましょう。

洗剤についても「絶対に使えない」と構えすぎる必要はありません。藤田金属は、強くしつこい油汚れには食器用洗剤を使う方法を示しています。その場合は水気を飛ばして油を薄く塗り、次回使用前に油返しを行う案内です。

一方、和平フレイズは、ひどい汚れに洗剤を使った後、水気を飛ばして油ならしをするよう案内しています。

洗った後の処理まで、使っている製品に合わせてください。

鉄フライパンの油ならしに使う油の種類と選び方のまとめ

この記事のまとめです。

  • 油ならしで迷ったら、岩鉄鉄器が勧める半乾性油のサラダ油・なたね油・こめ油などが候補
  • ごま油やコーン油も岩鉄鉄器が挙げる候補で、油ならし専用の油を必ず買う必要はない
  • 乾性油・半乾性油・不乾性油の分類はなじみやすさの手掛かりになり、加熱用途への適否は別に判断
  • オリーブオイルは一律に使用不可ではなく、OIGENは使い始めの油慣らし用の例に挙げている
  • 加熱調理を勧めないアマニ油・えごま油を、なじみやすさだけで油ならし用に選ばない
  • 藤田金属のハードテンパー加工のように、初回の油ならしが不要でも油返しを案内する製品がある
  • 油量・加熱時間・野菜を炒める工程はメーカーで異なり、別々の手順を組み合わせない
  • 油返しでは余分な油をオイルポットなどに戻し、調理に必要な量の油を入れて料理を始める
  • 焦げ付きは油の種類だけでなく、調理時の油量・強すぎる火力・焦げの落とし残しも見直す
  • IHの出力や洗浄後の処理も製品の案内に合わせ、油を多めに使う工程と薄く塗る工程を区別
参考にした情報
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この記事を書いた人

はじめまして、トントンです。
20代はほぼ料理をせず、30代前半でやっと自炊デビュー、安物買いの失敗を重ねて道具を見直し、今はキッチン道具沼にどっぷりハマっている40代のいちユーザーです。
「自分にぴったりの一品」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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