鉄フライパンのリセット方法|焦げ・サビの落とし方とIHの注意点

鉄フライパンのリセット方法|焦げ・サビの落とし方とIHの注意点

鉄フライパンが焦げ付くようになると、「一度全部落として、育て直したほうがいいのかな」と迷いますよね。軽い焦げはお湯でふやかし、落ちない焦げやサビはメーカーが認める方法で取り除き、その後に油ならしをするのが基本の流れです。最初から強火で焼き切る必要があるとは限りません。

ただし、リセット方法は製品や熱源によって違います。リバーライトの極フライパンでは、頑固な汚れを焼き切る作業をガスコンロに限定し、IHでのから焚きを禁止しています。この記事では、汚れを落として使い直すための手入れを「リセット」として、状態の見分け方から仕上げまで順に説明します。

この記事のポイント
  • 色むら・焦げ・サビで分けるリセットの判断
  • お湯での焦げ落としとメーカー指定の研磨
  • ガス限定の焼き切りとIHでの注意点
  • 油ならしから洗浄・保管までの再発予防
目次

鉄フライパンのリセットは必要?状態別の汚れ落とし

色むらと焦げを区別し、くっつく原因を見直す

色むらと焦げを区別し、くっつく原因を見直す

見た目の色むらだけで、表面を全部磨き直す必要があるとは判断できません。たとえばリバーライトの極シリーズには、特殊熱処理による色むらができることがあります。メーカーは、必要な表面の層は形成されており、性能に問題はないと説明しています。これは極シリーズの説明で、別の製品の変色まで同じ意味とは限りません。

また、「くっつく=汚れを全部落とすべき」とも限りません。和平フレイズは焦げ付きの原因として、油ならし不足、調理時の油不足、強すぎる火力、手入れせずに放置すること、洗剤で油を落とすこと、焦げの取り残しを挙げています。表面の手入れと、使い方の両方を見る必要があります。

今の状態最初に考える対処判断のポイント
極シリーズの特殊熱処理による色むら色むらだけを理由に磨き直さないメーカーは性能に問題なしと説明
食材の焦げが残っているお湯でふやかし、たわしなどで落とすまず付着した焦げを取り除く
しつこい油汚れがある製品の案内に沿って食器用洗剤を使う洗った後の油の手入れも必要
サビがあるメーカーが認める研磨と油ならしサビを放置したまま使い続けない
汚れを落としても焦げ付きやすい油ならし・油量・火加減を見直すリセット以外の原因も確認

特に、同じところが何度も焦げる場合は、前の焦げを落とし切れていない可能性があります。一方、汚れが残っていなくても、油や火加減が原因なら、磨き直すだけでは対策が足りません。リセットする日を決めるより、今ある付着物と調理の状態を見て、必要な手入れを選びましょう。

軽い焦げはお湯でふやかし、残った焦げを落とす

焦げが付いたときは、まずお湯で柔らかくしてから落とす方法があります。リバーライトは、お湯を入れてしばらく煮立たせた後、たわしや竹のささらで焦げカスを取り除くよう案内しています。藤田金属も、お湯でふやかしてから取り除く方法を紹介しています。

  1. フライパンに水を入れ、焦げを煮立たせてふやかします。和平フレイズの案内では、底を覆う程度の水を入れ、中火で沸騰させます。
  2. 製品に指定された道具で、柔らかくなった焦げを落とします。和平フレイズはスチールたわしや金属ヘラを挙げ、落ちない場合は磨き粉を使うよう案内しています。
  3. 洗い流した後は水気を拭き取り、製品の方法に沿って乾燥と油の手入れを行います。

普段の洗浄に使うたわしと、頑固な焦げを落とす金属たわしは、役割が違います。和平フレイズの普段の洗い方は、なじんだ油膜を残しつつ、お湯とたわし・ささらで汚れを落とす方法。焦げ取りでは、残った付着物を落とすために金属製の道具も案内されています。毎回の洗浄を、毎回の強い研磨に変える必要はありません。

焦げを落とした後の仕上げも、同じではありません。藤田金属は水気を飛ばして油を薄く塗る方法、和平フレイズは乾燥後に油ならしを行う方法を案内しています。持っている製品の手順を、汚れ落としから仕上げまで一続きで使ってください。IHで乾かす場合の注意は、後の空焼きの節で説明します。

サビや頑固な焦げは、認められた道具で研磨する

サビや頑固な焦げは、認められた道具で研磨する

サビが出たからといって、すぐ買い替えになるとは限りません。和平フレイズは、サビを落として再生する手入れ方法を紹介しています。ただし、サビを放置すると広がり、料理に移って鉄臭くなるため、早めに取り除くよう勧めています。

準備するのは、スチールたわしや金属ヘラ、食用油、油を移せるオイルポットなどの容器、キッチンペーパーです。前の二つはサビを落とすため、油と容器、ペーパーは仕上げの油ならしに使います。金属たわしやクレンザーを使えるかは、手持ちの製品の案内を優先しましょう。

  1. 底を覆うくらいの水を入れ、中火で沸騰させます。
  2. お湯を捨て、スチールたわしや金属ヘラでサビをこすり落とします。
  3. 落ちない場合はクレンザーなどの磨き粉を使い、その後、洗い流します。
  4. 水気を拭き取り、メーカー指定の方法で完全に乾かします。
  5. 最後に油ならしを行います。

これは和平フレイズが示すサビ取りの流れです。同社の案内では、乾燥は中火で加熱して行います。また、煮沸直後の本体は熱く、サビをこするときや油を拭き込むときにやけどへの注意が必要です。サビが落ちた段階で終わりにせず、乾燥と油ならしまで進めることが大切です。

藤田金属も、頑固な焦げやサビにクレンザーなどの磨き洗剤を使う方法を案内しています。その手順でできる擦り跡については、使用に問題はないとしています。ただし、その後には加熱や再研磨、油ならしも指定されています。「クレンザーだけ使って終わり」と切り取らず、製品ごとの一連の手入れとして扱いましょう。

空焼きは製品と熱源で判断する|IHへ置き換えない

使い始めの準備、洗った後の乾燥、頑固な汚れの焼き切りは、それぞれ別の作業です。リバーライトの極フライパンは、使い始めの油ならし前に空焼きする必要はありません。一方、こびりついた汚れの手入れには、ガスコンロで焼き切る方法が記載されています。

「空焼き不要」という初回の説明を、汚れの手入れにもそのまま当てはめないようにしましょう。

極フライパンの頑固な汚れについて、メーカーは次の手順を示しています。必ずガスコンロで行うという条件付きです。普通の焦げには前述のお湯でふやかす方法もあるため、すべての焦げでこの作業が必要になるわけではありません。

  1. ガスコンロの火力を全開にし、汚れのひどい部分に直接火を当て、煙が出なくなるまで汚れを焼き切ります。
  2. フライパンが冷めてから、金属たわしや金属ヘラで表裏の汚れを削り落とします。
  3. 硬いナイロンたわしや金属たわしとクレンザーで全体を磨き、水で洗い流して水気をよく拭き取ります。
  4. 中火で5分ほど空焼きし、冷めてからメーカー指定の油ならしを行います。

この手順をIHの強出力に置き換えることはできません。リバーライトは、IHでいきなり「強」にすることと、から焚きを禁止しています。IHでは発熱する部分とそれ以外で温度差が生じ、底面が変形することがあるという説明です。調理時には「弱」から始め、「中」へ徐々に上げるよう案内されています。

IHしかない家庭でも、メーカーが認めるお湯での焦げ落としや研磨は検討できます。ただし、ガス限定の焼き切りが必要な状態なら、その作業はIHでは行わず、購入先などへ相談しましょう。洗浄後の乾燥についても、他社の「火にかけて乾かす」という説明を、極フライパンのIHでのから焚き禁止より優先しないでください。

鉄フライパンのリセット後に行う油ならしと再発予防

汚れを落とした後は、製品に合う油ならしで仕上げる

油ならしは、表面に油をなじませて薄い油の膜をつくり、焦げ付きにくくするための作業です。和平フレイズは、焦げやサビを落とした後にも油ならしを行うよう案内しています。リセットは、汚れを落としたところで完了ではなく、再び調理するための仕上げまで含めて考えましょう。

  1. 和平フレイズの案内では、中火で2〜3分加熱して、完全に水気が飛んだことを確認します。
  2. 火を止め、1/2〜1カップの油を入れます。
  3. 弱火で3分程度加熱して、油をなじませます。
  4. 火を止め、余分な油をオイルポットなどへ戻します。
  5. キッチンペーパーなどで、残った油を表面にすり込むように拭き取ります。熱い本体によるやけどに注意してください。

リバーライトの極フライパンでは、油を鍋の深さの1/3くらいまで入れ、弱火で5分ほど熱し、火を止めて油を容器へ戻します。その後、内側に残る油を鍋肌全体へすり込むように拭く方法です。頑固な汚れの再生手順も、この油ならしを仕上げに指定しています。

油量と時間を他社の手順と混ぜず、手持ちの製品に合う方法を選んでください。

油の種類で迷う場合、和平フレイズのサビ取り解説では食用油であればよいとされています。ただし、ごま油など香りの強い油は、料理に香りが移ることがあるとの注意付き。特別な油を買うことよりも、汚れを落とした後に、指定された油ならしを最後まで行うことを優先したいですね。

油を熱するときは、煙を出すことを目標にしないでください。リバーライトは、油から煙が立つ状態を温度が高すぎると説明しています。同社の再生実例でも、油ならし中に油から煙が立たないよう注意が添えられています。汚れを焼き切る工程の「煙が出なくなるまで」と、油ならし中の加熱は区別が必要です。

調理前の油返しと火加減で、焦げ付きの繰り返しを防ぐ

調理前の油返しと火加減で、焦げ付きの繰り返しを防ぐ

油ならしを済ませた後も、調理前の準備は別にあります。油返しは、温めたフライパンに多めの油をなじませ、余分な油を容器へ戻してから、調理に必要な油を入れる作業です。リバーライトは、内面の温度を均一にし、表面に油をしっかりなじませることが目的と説明しています。

和平フレイズの方法では、中火で温めたフライパンに大さじ3程度の油を入れ、弱火で3分程度加熱します。火を止めて余分な油を戻し、小さじ1/2〜1程度の油を入れて調理を始めます。これは同社が示す目安です。リセット後の油ならしに使う油量と、毎回の油返しの油量を取り違えないようにしましょう。

焦げ付きにくくしたいからと、火力を上げ続けるのは逆効果になることがあります。和平フレイズは、火力が強すぎると食材が焦げ付きやすくなるため、調理中は少し控えめの火加減を勧めています。使い始めは油が十分なじんでいないので、調理時の油を控えすぎないことも対策の一つです。

IHについては、和平フレイズも「弱」から「中」へ徐々に上げ、必ず中火以下で使うよう案内しています。少量の油で炒める場合も「中」以下という条件です。汚れを落として油をなじませた後は、調理時の油量と火加減も見直す。それでも同じ場所が焦げるなら、付着した焦げが残っていないかを改めて見てください。

普段はお湯で洗い、洗剤を使った後の手入れまで行う

「洗剤は使わない」という案内は、汚れを残してよいという意味ではありません。和平フレイズは、普段はお湯とたわし・ささらで汚れを落とし、汚れがひどい場合には食器用洗剤を使ってもよいとしています。その場合は乾燥後に油ならしを行う方法です。

油膜を残したい日常の洗浄と、しつこい汚れを落とす手入れを分けて考えましょう。

藤田金属も、強力な油汚れにはスポンジと食器用洗剤を使うよう案内しています。こちらは洗浄後に水気を飛ばして油を薄く塗り、次回の使用前に油がえしをする方法です。「洗剤は絶対に使えない」と決めつけず、汚れに応じて使い、洗った後はそのメーカーの手入れまで行ってください。

日常の乾燥・保管にも製品差があります。藤田金属は、洗った後に火にかけて水気を飛ばし、油を薄く塗る方法です。一方、リバーライトの極フライパンの通常のお手入れは、水気を切って水滴を拭き取ってから収納する案内。

極フライパンで煮る・蒸す・茹でる調理をした後は、洗って乾かし、必ず薄く油を塗るという条件が付いています。

共通して気を付けたいのは、料理をフライパンに保存しないこと。リバーライトは、塩分や酸で鉄肌が侵され、穴が開くことがあると説明し、出来上がった料理をすぐ別の器へ移すよう案内しています。また、同社と藤田金属は食洗機の使用を認めていません。

調理後の片付けを翌回まで持ち越さず、内容物を移して手入れを済ませましょう。

保管場所は、和平フレイズが勧める風通しのよい場所が目安です。シンクやコンロ下の収納は湿気がたまりやすいとの注意があります。サビを取った後は、油の手入れだけでなく、置き場所にも目を向けてください。

変形や落とせないサビは、リセットを続けず相談する

変形や落とせないサビは、リセットを続けず相談する

汚れ落としで対処する焦げ・サビと、底面の変形は別の問題です。底が変形したからといって、さらに焼き直す方法へ進める必要はありません。リバーライトは、極フライパンの変形した底面を平らに直すことはできないと説明しています。

変形後の使用判断は、メーカーによって異なります。和平フレイズは、IHで変形やガタつきが生じた場合は使用しないよう案内しています。一方、リバーライトの極フライパンの説明書では、底面変形後もそのまま使う案内があります。別の製品まで一律に使用できるとは扱わず、手持ちの製品の指示に従ってください。

自分での手入れが難しい場合、藤田金属は変形やサビの有償修理を受け付けると案内しています。修理の対象や費用は、藤田金属のお手入れ案内から相談先を確認してください。リバーライトは、商品についての問い合わせは必ず購入先へ連絡するよう説明しています。

汚れを落とす作業で解決できる範囲を超えたら、指定された窓口へ相談しましょう。

鉄フライパンのリセット方法と手入れのまとめ

この記事のまとめです。

  • 極シリーズの特殊熱処理による色むらは、色むらだけを理由に磨き直す必要なし
  • 焦げ付きやすさは、油ならし・調理時の油量・火加減・焦げの取り残しも見直す
  • 軽い焦げはお湯でふやかし、製品に指定された道具で取り除く
  • サビ取りはメーカーが認める研磨方法で行い、乾燥と油ならしまで仕上げる
  • 極フライパンの頑固な汚れの焼き切りはガスコンロ限定で、IHへ置き換えない
  • 油ならしの油量と加熱時間は、メーカーごとの手順を混ぜずに使う
  • 油ならしと調理前の油返しは別の作業で、油を熱するときは煙を目標にしない
  • ひどい汚れには食器用洗剤を認めるメーカーもあり、洗浄後の油の手入れが必要
  • 乾燥と油を塗る条件は製品に合わせ、料理を保存せず、湿気の少ない場所で保管する
  • 変形後の使用判断はメーカーの指示を優先し、落とせないサビや修理は指定窓口へ相談
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この記事を書いた人

はじめまして、トントンです。
20代はほぼ料理をせず、30代前半でやっと自炊デビュー、安物買いの失敗を重ねて道具を見直し、今はキッチン道具沼にどっぷりハマっている40代のいちユーザーです。
「自分にぴったりの一品」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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