ステンレスと鉄フライパンの違いと選び方ガイド

ステンレスと鉄フライパンの違いと選び方ガイド

ステンレスと鉄、どっちのフライパンが自分に合うのか全然わからない…

ステンレスフライパンは保温性が高く、余熱調理や無水調理が得意です。一方、鉄フライパンは高温調理に適しており、炒め物やステーキをカリッと香ばしく仕上げる力があります。どちらも「一生モノ」として使い続けられる耐久性を持ちながら、その特徴と得意料理はまったく異なるのがポイント。

選び方のポイントはシンプルで、「毎日のお手入れの手間をどこまで許容できるか」「どんな料理を美味しく仕上げたいか」この2点に尽きます。ステンレスは洗剤で気軽に洗えてサビの心配も少ない。鉄は使い込むほど油が馴染み、育てていく楽しさがある。

ステンレスと鉄フライパンの特徴・お手入れ・得意料理の違いを整理しつつ、正しい使い方と選び方のコツまで順に見ていきましょう。

この記事のポイント
  • ステンレスは保温性が高く、余熱調理・無水調理ができる
  • 鉄は熱伝導率が高く、炒め物・ステーキが得意な高温調理向き
  • お手入れのしやすさはステンレスが有利、育てる楽しさは鉄
  • ステンレス選びは多層構造・サイズ・IH対応の3点がポイント
目次

ステンレスと鉄フライパンの特徴と違いを比較

  • ステンレスフライパンの保温性・耐久性・多層構造の特性
  • 鉄フライパンの熱伝導率・鉄分補給・育てる楽しさ
  • お手入れのしやすさ:洗剤OKのステンレスと油ならし必須の鉄
  • 得意料理で使い分けるステンレスと鉄

ステンレスフライパンの保温性・耐久性・多層構造の特性

ステンレスフライパンの保温性・耐久性・多層構造の特性

ステンレスフライパンの最大の特徴は、その高い保温性にあります。一度温まると冷めにくい性質があるため、食材を入れた後も温度が下がりにくく、じっくりと火を通す調理に向いています。この保温性の高さは余熱調理にも活かせるため、火を止めた後もフライパン内の熱で食材に火を通し続けることができ、光熱費の節約にもつながるようです。

サビへの強さもステンレスならではの優れた特性。ステンレスという名称は「Stain-less(サビにくい)」を語源としており、鉄と比べてはるかにサビにくく、長期間にわたって美しい状態を保てます。適切なお手入れをすれば数十年使い続けることも可能で、まさに一生モノの調理器具と言えるでしょう。

一方で、ステンレス単体では熱伝導率が低いという弱点があります。単体では火が当たっている部分だけが局所的に熱くなりやすく、焼きムラの原因になりかねません。この弱点を補うために生まれたのが多層構造。熱伝導率の高いアルミニウムをステンレスで挟み込んだ多層構造(3層・5層・7層)を採用することで、フライパン全体に均一に熱が伝わるようになります。

気になるのが「どこまで均一に熱が伝わるか」という点ですよね。特に全面多層構造のフライパンは、底面だけでなく側面まで多層になっているため、より均一な熱の広がりが期待できます。この構造により、無水調理や無油調理にも対応できるモデルも存在します。食材から出る水分だけで蒸し煮にする無水調理は、素材本来の旨みや栄養素を逃しにくく、ヘルシーな食事を作りたい方にも支持されています。

ステンレスの調理面は明るいシルバー色のため、ソースや煮汁の色の変化を目で確認しやすいのも実用的なメリット。

酸性食品への耐性もステンレスの大きな強みです。トマトソースや酢を使った料理など酸性の強い食材でも、鉄のようにフライパンが反応してしまう心配が少なく、幅広い料理に対応できます。

ステンレスは多層構造で熱ムラをカバーし、保温性の高さを活かした余熱調理が得意。数十年使える耐久性も魅力です。

鉄フライパンの熱伝導率・鉄分補給・育てる楽しさ

鉄フライパンの熱伝導率・鉄分補給・育てる楽しさ

鉄フライパンの最大の強みは、高温調理に対する適性にあります。熱伝導率が高く蓄熱性にも優れているため、冷蔵庫から出したばかりの冷たい食材を乗せても温度が急激に下がりません。ステーキ肉の表面をカリッと香ばしく焼き上げたり、野菜炒めの水分を一気に飛ばしてシャキッと仕上げたり。まさに「焼く・炒める」という調理の真価を引き出せる素材です。

フライパンの耐久性という観点でも、鉄は非常に優秀な素材です。正しくお手入れをすれば一生使い続けられるほどの堅牢さを持ち、コーティングの劣化を気にする必要がありません。表面に傷がついても、油ならしをやり直せば元の状態に戻せるのがポイント。

料理しながら鉄分を摂取できる点も、鉄フライパンならではのメリットです。鉄製のフライパンで調理をすると、食材に微量の鉄分が溶け出します。貧血が気になる方にとって、日常の調理で自然に鉄分を補える点は見逃せない魅力でしょう。

油が馴染みやすい特性があり、使い込むほど段々と調理が成功しやすくなります。使えば使うほど油が表面の細かな凹凸に入り込み、食材がくっつきにくくなっていくのがポイント。この過程が「育てる」と表現される所以であり、道具と対話しながら料理を楽しみたい方にとってはたまらない魅力です。

製法のバリエーションも多彩で、板から製造するプレス・スピニング、溶かして製造する鋳造・キャスト、固まりを打って製造する鍛造など、さまざまな製法があるようです。製法の違いが重さや蓄熱性に影響するため、用途や好みに合わせて選ぶのも鉄フライパンの楽しみのひとつ。

鉄フライパンで調理すると食材に微量の鉄分が溶け出します。特に酢を使った料理や煮込み料理でその効果が高まりやすいと考えられています。

お手入れのしやすさ:洗剤OKのステンレスと油ならし必須の鉄

お手入れのしやすさ:洗剤OKのステンレスと油ならし必須の鉄

鉄フライパンを使い始める前に必ず行うべきなのが、シーズニング(油ならし)です。新品の鉄フライパンには防サビ加工が施されており、これを焼き切ってから油を馴染ませる工程が必要です。この手間を省いてしまうと、食材がくっつく原因になるだけでなく、フライパン自体が本来の性能を発揮できません。

鉄フライパンの日常管理では、使用後に全体に薄く油を塗ることがサビ防止の基本です。鉄はサビやすい素材であるため、使用後の手入れを怠るとすぐにサビが出てしまいます。洗い方はお湯とタワシでゴシゴシ洗うのが基本で、洗剤は不要。洗剤を使うと油膜が落ちてしまい、せっかく育てた油のコーティングが台無しになってしまいます。

また、鉄フライパンは使用後すぐに洗う必要があります。濡れたまま放置したり、洗い忘れたりするとあっという間にサビが発生します。しかし万が一サビが出たとしても、焦る必要はありません。金属タワシでこすり落とし、油ならしをやり直せばリセット(再生)が可能。

一方のステンレスフライパンは、洗剤でゴシゴシ洗えるのが大きな利点です。洗った後に油を塗る必要もなく、清潔な状態でしまっておけます。食洗機対応のモデルも多く、忙しい毎日にも自然と溶け込めるのがステンレスの強み。万が一焦げ付いてしまった場合は重曹を活用するのが効果的で、水と重曹を入れて沸騰させた後に軽くこするだけで落とせます。

ステンレスフライパンの洗い方のポイントは、熱いうちに洗うこと。冷めると汚れが固まりやすくなるため、調理が終わったら早めに洗うのがきれいに保つ秘訣です。

鉄フライパンを洗剤で洗うと油膜が落ちてしまいます。お湯とタワシで洗い、使用後は薄く油を塗って保管することがサビ防止の基本です。

得意料理で使い分けるステンレスと鉄フライパン

得意料理で使い分けるステンレスと鉄フライパン

フライパン選びで最も重要な基準のひとつが、どんな料理を作りたいかという点です。ステンレスと鉄では得意料理が異なるため、自分の料理スタイルに合った素材を選ぶことが快適な調理への近道になります。

鉄フライパンが力を発揮するのは、高温で一気に仕上げる料理。炒飯、野菜炒め、餃子、ステーキ、ホットケーキなどが得意料理の代表格です。強火での高温調理が可能なため、野菜をシャキッと炒めたり、ステーキ肉の表面をカリッと焼いて旨みを閉じ込めたりできます。高温で食材の水分を素早く飛ばすことで、野菜炒めが水っぽくならずシャキシャキとした食感に仕上がるのがポイント。

逆に鉄が苦手とするのは、煮物、茹で料理、蒸し料理など。酸性の強いトマトソースや酢を使った料理を長時間調理すると、油膜が剥がれたり、料理に金気臭が移ったりするケースもあります。

一方のステンレスは、保温性を活かした余熱調理や煮込み料理が得意。繊細な火加減が求められる料理にも向いています。デグラジネーション(肉汁からソースを作る技術)にもステンレスは向いており、焼いた肉の旨みをフライパンに残したまま、白ワインや酢などでこそげ落としてソースを仕上げるといった本格調理にも対応できます。

ヘルシー調理にもステンレスは向いており、全面多層構造のものであれば無水調理・無油調理にも対応できるのがポイント。両素材ともに、調理温度は180℃前後が目安との声が多いです。

ステンレスと鉄フライパンの正しい使い方と選び方のコツ

  • ステンレスフライパンがくっつかない予熱のコツと使い方
  • 鉄フライパンのシーズニングと育て方の手順
  • ステンレスフライパンの選び方(多層構造・サイズ・IH対応)
  • おすすめのステンレスフライパン商品

ステンレスフライパンがくっつかない予熱のコツと使い方

ステンレスフライパンがくっつかない予熱のコツと使い方

「ステンレスフライパンはくっつきやすい」という印象を持っている方は多いのではないでしょうか。その原因のほとんどが、予熱不足です。十分な予熱をせずに食材を入れると、フライパンの表面に食材がくっついてしまいます。フッ素加工のフライパンと同じ感覚で使ってしまうと激しく焦げ付く。これがステンレスフライパンの評価が二極化する最大の原因です。

適温の確認には「水滴テスト」が有効。中火でフライパンを加熱し、水を数滴落としたときに水滴がコロコロと玉になって転がれば、調理開始のサインです。水滴がジュワッとすぐに蒸発してしまう場合はまだ温度が足りていない証拠。この水玉が転がる温度になってから油を引いて食材を入れると、くっつきにくくなります。

油は適量を全体になじませることが大切です。キッチンペーパーで余分な油を拭き取り、薄く均一に広げるのがコツ。油が少なすぎると焦げ付きの原因になりますが、多すぎると料理が油っぽくなります。

火加減は中火から弱火が基本です。ステンレスは保温性が高いため、強火にしなくても一度温まれば熱を維持できます。食材を入れた後もフライパンの温度が冷めにくいため、余熱調理にも積極的に活用してみてください。

水滴テストで適温を確認してから油を引くのが鉄則。予熱が十分でないまま食材を入れることがくっつきの最大の原因です。

鉄フライパンのシーズニングと育て方の手順

鉄フライパンのシーズニングと育て方の手順

前述のとおり、鉄フライパンを購入したらまずシーズニング(油ならし)を行い、使用後には薄く油を塗る習慣が欠かせません。この日々の手入れに最初は戸惑うものですが、実はここからが鉄フライパンの面白さの始まりです。

使い込むほど油が馴染み、段々と調理が成功しやすくなっていきます。高温で調理を繰り返すことで油膜が形成され、表面が滑らかに育っていくのがポイント。新品のときはくっつきやすかった卵焼きやホットケーキが、数か月後にはスルッと剥がれるようになる。この変化こそが「鉄を育てる」楽しさの正体です。

扱いに慣れるまで少し時間がかかるのも事実。しかし前述のとおり、サビが出てもリセット可能なので、失敗を恐れずにどんどん使い込むのが上達への近道です。

鉄フライパンは扱いに慣れるまで時間がかかりますが、サビが出てもリセット可能です。まず油ならしをしっかり行い、使用後は乾燥させてから薄く油を塗る習慣をつけましょう。

ステンレスフライパンの選び方(多層構造・サイズ・IH対応)

ステンレスフライパンの選び方(多層構造・サイズ・IH対応)

ステンレスフライパンを選ぶ際の重要なポイントは、大きく3つあります。

まず確認したいのがサイズ選び。ステンレスフライパンは重量があるため、人数と用途に合ったサイズを選ぶことが使いやすさに直結します。1〜2人暮らしには20〜22cm、2〜4人家族の普段使いには24〜26cm(最も人気のサイズ)、4人以上の大家族やまとめ調理には28cm以上が目安です。1kgを超えるものも多いため、試しに持ち上げて重さを確認してみましょう。

次に多層構造です。底面のみ多層構造のタイプは、価格が比較的安く軽量で扱いやすいのが特徴です。全面多層構造のタイプは、側面まで熱が均一に伝わり、無水調理にも対応できます。本格的な調理を楽しみたい方には全面多層構造がおすすめ。

IH対応の確認も必要です。現在販売されているステンレスフライパンの多くはIH対応ですが、一部ガス火専用のものもあります。引っ越しの予定がある方は、ガスとIH両方に対応したオール熱源対応のモデルを選ぶと安心でしょう。

その他の選択肢として、コーティングの有無もポイントです。コーティング無しはステンレス本来の性能を活かせる一生モノとして使えますが、初心者には扱いが難しく感じることもあります。コーティング有りは焦げ付きにくく初心者でも扱いやすい反面、コーティングの劣化は避けられません。

取っ手が取り外せるタイプはオーブン調理にも対応でき、収納スペースの節約にもなるため、キッチンが狭い方に重宝するアイテム。

サイズ・多層構造・IH対応の3点を先に絞り込み、その後に予算やブランドを検討するとスムーズにフライパン選びができます。

おすすめのステンレスフライパン

おすすめのステンレスフライパン

ステンレスフライパンの主要ブランドと代表的な商品を、価格帯別にご紹介しましょう。

ビタクラフトは1939年にアメリカで設立されたブランドで、全面多層構造の先駆者として知られています。底面だけでなく側面まで多層構造を採用することで優れた熱効率を実現し、無水調理・無油調理が可能なモデルを多数ラインナップしています。10年間の長期保証が付いているモデルもあり、アフターサービスの充実度も魅力のひとつ。

ビタクラフト ソフィアII フライパン 24cm は、エントリー価格帯ながら全面2層構造を採用した人気モデル。コストパフォーマンスを重視したい方の入門機として選ばれています。

ビタクラフト プロ フライパン 24cm は、業務用シリーズのオールステンレス全面5層構造モデルです。プロの現場でも愛用される高品質な一品。

フィスラーは1845年創業のドイツの高級調理器具ブランドです。プロの料理人からも支持される高品質が魅力で、価格は高めですが、その分の品質は確かです。

フィスラー カターニャ フライパン 24cm は、ミドル価格帯のスタンダードモデルです。サテン仕上げの美しい外観も魅力で、食洗機対応も選ぶ理由のひとつ。

宮崎製作所 ジオ・プロダクト ソテーパン 25cm は、新潟県燕市の老舗メーカーが手がける日本製フライパンで、無水調理や余熱調理に向いているとの声が多い、国産一生モノの選択肢のひとつです。

ティファール インジニオ・ネオ IHステンレス・アンリミテッド 10点セットは、着脱式の取っ手が特徴のティファールの上位シリーズ。オーブン調理から収納まであらゆる場面に対応し、複数のフライパンや鍋を効率よく使いたい方に向いています。

マイヤー スターシェフ3 フライパン 20cm は、プロの料理人にも愛用者が多いマイヤーのエントリーモデル。フレアリム採用で液だれしにくく、ソース作りにも適したモデルです。

ステンレスと鉄フライパンの選び方まとめ

この記事のまとめです。

  • ステンレスフライパンは保温性が高く、一度温まると冷めにくい特性を持つ
  • ステンレスの保温性の高さにより、余熱調理が可能で光熱費の節約にもつながるようです
  • ステンレスはサビに強く、適切にお手入れすれば数十年使い続けることができる
  • ステンレスの熱伝導率の低さは、アルミを挟んだ多層構造(3層・5層・7層)で補う
  • 全面多層構造のステンレスフライパンは無水調理・無油調理が可能
  • ステンレスは酸(トマトソース等)に強く、幅広い料理に対応できる
  • 鉄フライパンは熱伝導率が高く蓄熱性にも優れ、高温調理に向いている
  • 鉄は炒飯、野菜炒め、餃子、ステーキ、ホットケーキなどの調理が得意
  • 鉄フライパンで調理すると食材に微量の鉄分が溶け出す
  • 鉄は使い込むほど油が馴染み、調理が成功しやすくなる「育てる」楽しさがある
  • ステンレスは洗剤で洗えるが、鉄はお湯とタワシで洗うのが基本
  • 鉄は新品時にシーズニング(油ならし)が必須で、使用後に薄く油を塗る必要がある
  • ステンレスのサイズ選びは1〜2人なら20〜22cm、2〜4人なら24〜26cmが目安
  • ステンレスの選び方は多層構造・サイズ・IH対応の3点を先に確認する
  • 日常のお手入れが楽なステンレス、道具と育てる楽しさを求めるなら鉄が向いている
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この記事を書いた人

はじめまして、トントンです。
20代はほぼ料理をせず、30代前半でやっと自炊デビュー、安物買いの失敗を重ねて道具を見直し、今はキッチン道具沼にどっぷりハマっている40代のいちユーザーです。
「自分にぴったりの一品」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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