まな板DIYの作り方|木材選び・研磨・オイル仕上げと手入れ

まな板DIYの作り方|木材選び・研磨・オイル仕上げと手入れ

まな板をDIYするなら、まずは調理に使う木材を選び、下書き・切り出し・研磨・仕上げの順で進めます。最初の一枚には、複雑な持ち手を付けない長方形から考えるのが私のおすすめ。材料選びに迷ったら、日々の包丁仕事に使われるヒノキやイチョウを候補にしましょう。

また、木のまな板は必ずオイルを塗って完成させるものではありません。榧工房かやの森は、榧・ヒノキ・イチョウなどは無塗装でも使われてきたと説明しています。見た目だけで仕上げを決めず、毎日の調理用か、食卓でも使う一枚かを考えながら作っていきましょう。

「100均のまな板でDIY」には、まな板を材料にブックスタンドや計量スプーンスタンドを作るリメイクもあります。これらは収納雑貨の制作例です。この記事では、食材を切るための木製まな板を自作する方法を扱います。

この記事のポイント
  • 用途に合わせた木材と板の状態の選び方
  • キッチンに合う寸法・厚さと必要な道具
  • 切り出し・研磨・オイル仕上げの手順
  • 完成後の洗い方と乾燥・収納の基本
目次

まな板DIYの準備|木材・サイズ・道具を選ぶ

木材は毎日の包丁仕事に合うものから選ぶ

木材は毎日の包丁仕事に合うものから選ぶ

野菜や肉・魚を切るまな板なら、まず重視したいのは包丁の刃当たりです。アイドカストアは、調理用のまな板にはヒノキやイチョウなど柔らかい木材が使われ、食卓でパンやチーズを切るカッティングボードには山桜やメープルなど硬い木材が使われると紹介しています。

木目や色の好みと一緒に、何を切る一枚なのかも決めておきます。

木材の候補材料選びで見ておきたい特徴気になる点
ヒノキ刃当たりが柔らかく、水切れに優れる特有の香りがある
ヒバ水への強さがあり、適度な硬さで刃当たりがよい材が希少で高価。特有の香りもある
イチョウ木質が均一で柔らかく、刃当たりのよさで知られる材によってギンナン臭がする場合がある

毎日の調理用で迷うなら、ヒノキから検討するのも一案です。ただ、香りの感じ方は好みが分かれるところ。刃当たりだけで決めず、木材の香りについても販売説明を読んでおきたいですね。イチョウについても「必ず無臭」と考えず、材ごとの差を含めて選びます。

一枚板・接ぎ板・端材は名前だけで判断しない

一枚板を切って形を整える作り方は、板同士を接着する工程を含みません。ただし、一枚板だから反らないわけではありません。ダイワ産業は、幅の広い一枚板の変形や価格を考え、自社のまな板では材を幅方向に貼り合わせる方法を採っています。「貼り合わせてあるまな板は使えない」という判断も適切ではありません。

気を付けたいのは、まな板メーカーの製品と、用途の分からない市販の集成材を同じ条件で扱わないことです。ダイワ産業の接着剤・塗料についての案内は、同社のまな板に対する説明。手元の板や木工用接着剤へ、そのまま当てはめられるものではありません。

貼り合わせから自作する場合は、材料と接着剤それぞれの用途・使用条件の確認が別に必要です。

木目にも違いがあります。模様のような木目が出る「板目」に対し、細かな線が平行に並ぶのが「柾目」。ダイワ産業は、柾目のほうが変形しにくい一方、取れる幅が狭く高価になると説明しています。木材を探すときは、樹種に加えて木目や反りの状態も見ておきましょう。

端材を使う場合は、価格より先に用途と状態を読みます。美吉野キッチンのDIY用端材欄には、まな板作り用の材料を含むもののほか、机やベンチ向けの荒材も掲載されています。荒材には平面が出ていないものや、ひび・反り・ボンド跡などがあるものも。

「まな板店で売るヒノキの端材」という名前だけでは、必要な加工の量まで分かりません。

サイズと厚さは作業台・シンク・収納場所から決める

サイズと厚さは作業台・シンク・収納場所から決める

大きさは、切る食材だけでなく、置く・洗う・しまう場所まで含めて決めます。アイドカストアも、天板やシンクの大きさ、料理、家族構成、収納場所を考慮するよう案内しています。まずキッチンの寸法を測り、その範囲で必要な作業面を考える順番です。

使用人数アイドカストアが示すサイズの目安
1人暮らし15〜20cm×30cm程度
2人暮らし20cm×40cm程度
3〜4人暮らし25cm×45cm程度

いずれも選ぶ際の目安で、DIYの必須寸法ではありません。

厚さについて、同店は安定感・反りにくさ・削り直しを考え、木製では3cm以上をすすめています。これを基準の一つにできますが、薄い板がすべて不適切という意味ではありません。ダイワ産業の薄いまな板には、両端へ別の板を差し込む反り防止加工があります。市販品の薄さだけをまねず、その構造も違うと考えておきます。

形は、作業スペースに合わせるなら長方形、奥行きも使いたいなら丸型や正方形が候補です。取っ手は板ごと持ち上げるときに、穴は掛けて収納するときに役立ちます。私なら最初は長方形にして、持ち手や穴は収納方法に必要かどうかで追加します。

道具は切断・研磨・仕上げの工程に分けて用意する

工程用意するもの選ぶときのポイント
下書き・切断鉛筆、木材に合うノコギリ材質や切る用途に合わせる
表面と角の研磨サンドペーパー、平らな木片など粗さの違うペーパーを使い分ける
穴を付ける場合穴あけ工具、木工用ビット、内側を磨くヤスリ穴を作るデザインにした場合だけ追加
オイルを塗る場合まな板用オイルなど、布またはキッチンペーパー無塗装で使う場合は不要

ノコギリは、木なら何でも同じものを選ぶというより、材質と用途を合わせます。ゼットソーのFAQでは、目が細かいほど切断面がきれいになり、粗いほど早く切れる一方で切断面も粗くなると説明しています。切り出した後に研磨することも含め、手持ちの道具が材料に合うかを見ておきましょう。

手で研磨するなら、ペーパーを当てる平らな木片も便利です。木工製品を作る枯白は、木片などにペーパーを当てると、面を凹ませずに磨けると案内しています。作業場所は安定したテーブルにし、木の粉に備えるマスクやエプロンも必要に応じて用意します。

まな板DIYの作り方|切り出しから仕上げ・手入れまで

下書きして切り出し、持ち手や穴は必要な場合だけ付ける

まず、板へ完成形を鉛筆で下書きします。長方形にするか、持ち手を付けるかをここで確定。DIY MAGAZINEの制作例でも、材料の形や大きさに合わせてデザインを決め、下書きしてから切り出しています。持ち手がある場合は、食材を切る面と持つ部分を分けて描いておきます。

下書きに沿って切り出したら、外周の形を整え、角の凹凸を研磨します。切断と仕上げを一度に終わらせようとせず、「輪郭を切る」「角や曲線を整える」「表面を磨く」という順番で考えると作業が明確です。制作例では切断後にナイフで成形していますが、刃物の扱いまで同じ方法にそろえる必要はありません。

掛けて収納するための穴を付けるなら、表面の仕上げに入る前に加工します。穴径は用途次第で、制作例に登場する12mmや21mmも作者がデザインに合わせて選んだ寸法。まな板の標準値ではありません。穴を開けた後は、内側もヤスリで滑らかに整えます。

研磨は凹凸を整えてから細かい目で仕上げる

研磨は凹凸を整えてから細かい目で仕上げる

研磨では、先に凹凸を整え、その後で細かい目のペーパーに替えます。DIY MAGAZINEの制作例は、成形した部分を60番で整えてから、表面と端を320番で仕上げる流れです。作者は、細かな凹みが残ると320番では修正しにくかったとも記しています。

仕上げ用のペーパーだけで、大きな凹凸まで直そうとしないのがポイントです。

ただし、どの板にも最初から60番を使うという指定ではありません。枯白が案内する既存のまな板のメンテナンスでは、180番で磨き、その後320番で整えます。切り出したばかりの凹凸のある板と、すでに仕上がった板の磨き直しでは、出発点が違います。購入した材料の仕上げ状態に合わせて考えましょう。

手磨きでは平らな木片などにペーパーを当て、木目に沿って磨きます。広い面だけで終わらせず、側面や外周も対象に。枯白の案内でも、側面を磨いて手で質感を確かめ、全体にペーパーが当たったことを確認しています。穴付きにした場合は、穴の内側を磨く工程も残っています。

オイル仕上げへ進む場合は、研磨で出た粉をしっかり落としてから塗ります。磨いた面の確認と粉の除去までを研磨工程に含めておくと、表面がざらついたまま次へ進むのを防げます。

オイルは必須ではない|塗る場合は薄く伸ばして拭き取る

ヒノキやイチョウなどのまな板は、無塗装で使う選択もあります。かやの森は、オイルは本来必須ではないとしたうえで、乾燥の進み方を緩やかにし、木への負担を和らげることで、割れが生じにくくなる効果が期待できると説明しています。塗れば割れを完全に防げる、というものではありません。

塗る場合、同工房が挙げるのは亜麻仁油・エゴマ油などの乾性油や、市販のカッティングボードオイルです。塗ると濡れたように色が深まり、木目もはっきりします。木の色を生かしたい人には、この仕上がりの変化も選ぶポイントになります。

  1. まな板を洗い、しっかり乾燥させる
  2. 乾いた布やキッチンペーパーで、側面も含めてオイルを薄く伸ばす
  3. 15〜30分ほど置いてなじませる
  4. 表面に残る余分なオイルを拭き取る
  5. スタンドに立て、一晩乾かす

以上は、かやの森が案内する塗布手順と時間の目安です。

乾燥は時間だけで区切らず、表面の状態も見ます。枯白は、オイル塗布後1〜2日は木から油が出ることがあるため、こまめに拭き、べたつきがなくなってから使うよう案内しています。厚塗りも乾燥に時間がかかる原因です。塗り直しについて、かやの森は表面が乾いて白っぽく感じられる頃を目安にしています。

植物油を含む塗料で使った布や紙は、丸めたり積み重ねたりして放置しないでください。太田油脂は自然発火への注意として、使用後すぐに金属製の水バケツへ浸し、作業終了時には水を十分に含んだままビニール袋に入れ、密封して可燃ごみとして処理するよう案内しています。

オイル仕上げでは、塗布だけでなく使用済みの布・紙の処理まで準備しておきます。

完成後は使用前に濡らし、洗ったら陰干しする

完成後は使用前に濡らし、洗ったら陰干しする

使い始めは、両面を水でさっと濡らし、清潔な布巾で余分な水分を拭き取ります。貝印は、乾いた木が食材の油分や色素を吸い込みやすいことから、使用直前に濡らす方法をすすめています。オイルを塗ったかどうかとは別に、日々の使い方として覚えておきたいひと手間です。

使った後は早めに洗います。肉・魚・油汚れが付いた場合は洗剤を使い、表だけでなく裏側や側面まで洗って、十分にすすぎましょう。貝印は金たわしを避け、植物繊維のたわしなどを使うよう案内しています。調理用の面を磨くときのヤスリと、毎日洗うための道具は分けて考えます。

肉や魚の汚れを落とす前に、いきなり熱湯をかけるのは避けます。タンパク質が固まり、汚れが取れにくくなるためです。貝印が紹介する熱湯消毒も、洗って汚れを落とした後の方法。

消毒を洗浄の代わりにしないことが大切です。

洗ったら表・裏・側面の水気を拭き、直射日光を避けた風通しのよい場所で乾かします。貝印は、スタンドで立てる方法や、穴がある場合はフックで吊るす方法を紹介しています。シンク下や戸棚へしまう場合も、十分に乾燥してから。作る段階で決めた収納方法が、ここにつながります。

食洗機や漂白剤は、木製なら一律に使えるものではありません。貝印も、食洗機への対応や、塩素系・酸素系漂白剤の使用可否は製品の説明で確認するよう案内しています。自作した板は、市販の食洗機対応品と同じ性能が確認されたものではないため、ここで紹介した手洗いと乾燥を基本に扱いましょう。

まな板DIYの材料選びと作り方まとめ

この記事のまとめです。

  • 日々の包丁仕事用なら、ヒノキやイチョウなどの木材を候補にする
  • 一枚板にも反りは起こる。メーカー製まな板の貼り合わせと、用途不明の集成材を同じ条件で扱わない
  • 端材は樹種だけで選ばず、まな板向けの用途説明と反り・ひび・仕上げ状態を見る
  • 寸法は作業台・シンク・収納場所から決める。厚さ3cm以上は販売店が示す選択の目安
  • 下書きして切り出し、輪郭や角を整える。持ち手や穴は使い方に応じて追加する
  • 研磨は材料の凹凸に合わせて始め、細かい目で仕上げる。側面や穴の内側も整える
  • ヒノキやイチョウなどは無塗装で使う選択もある。オイルで割れを完全に防げるわけではない
  • オイルを塗る場合は薄く伸ばして余分を拭き取り、乾燥とべたつきの状態を確認する。使用済みの布・紙はすぐに金属製の水バケツへ浸し、作業終了時には水を十分に含んだままビニール袋に入れ、密封して可燃ごみとして処理する
  • 使用前は両面を濡らして拭き、肉・魚・油汚れが付いたら洗剤で洗う。熱湯を使う場合も汚れを落としてから
  • 洗ったら水気を拭いて陰干しする。自作板に食洗機や漂白剤への対応があると決め付けない
参考にした情報
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この記事を書いた人

はじめまして、トントンです。
20代はほぼ料理をせず、30代前半でやっと自炊デビュー、安物買いの失敗を重ねて道具を見直し、今はキッチン道具沼にどっぷりハマっている40代のいちユーザーです。
「自分にぴったりの一品」に出会えるお手伝いができれば嬉しいです。

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