お気に入りのホーロー鍋が欠けると、できれば直して使いたいですよね。剥がれを修理できるかは、メーカーと損傷の状態によって異なります。バーミキュラには有料の再ホーロー加工がありますが、ル・クルーゼは修理やメンテナンスを行っていません。
また、野田琺瑯は食品を扱うホウロウ製品に市販の補修材を使わないよう案内しています。まずは剥がれた場所とメーカーを確認し、修理・相談・買い替えの順に考えていきましょう。
- メーカーと損傷状態で異なる修理対応
- 食材に触れる剥がれと外側の欠けの違い
- 市販補修材を鍋へ使う際の注意
- 再加工の費用・申込方法と保証の条件
ホーロー鍋の剥がれを修理する前に確認したいこと
修理できるメーカーとできないメーカーがある

ホーロー鍋なら、どれでも塗り直せるわけではありません。バーミキュラのリペアは、ホーローをすべて剥がして一から加工し直す方法。欠けた部分だけに補修材を塗る作業とは異なり、メーカーが内外面を再コーティングします。
一方、ル・クルーゼの日本向け公式FAQでは、製造工程上、全社で修理やメンテナンスを行っていないと明記されています。
| メーカー | 剥がれに関係する公式案内 | 次に考えること |
|---|---|---|
| バーミキュラ | 有料で再ホーロー加工。ただし鋳物自体の割れ・ヒビは対象外 | 製品と損傷がリペア対象か確認する |
| ル・クルーゼ | 修理・メンテナンスは実施していない | 不良・不具合は購入店へ相談。保証には条件あり |
| 野田琺瑯 | 食品を扱う製品への市販補修材の使用を避けるよう案内 | 自己補修せず、個別の対応はメーカーへ相談する |
野田琺瑯については、市販補修材への注意だけを根拠に「メーカーでも絶対に修理できない」とまでは言えません。修理の可否が分からない場合は、鍋の状態を伝えて問い合わせるのが確実です。野田琺瑯のお問い合わせフォームには画像を添付できます。相談できることと、修理を受け付けてもらえることは分けて考えましょう。
内側・外側・フチは、食材に触れるかで判断が変わる
使用を続けられるか考えるときは、欠けの大きさだけでなく、食材に触れる部分かどうかが重要です。バーミキュラは、鍋の内側で食材に触れる部分が剥がれた場合、調理中にさらにホーローが剥がれる恐れがあり危険として、使用を極力避け、有料リペアを利用するよう案内しています。
「ほんの小さな欠けだから大丈夫」と自己判断するための寸法基準は設けないほうがよいでしょう。
同社では、外側や内側のフチなど、食材に触れる恐れがない部分の剥がれは、調理性能に問題がなく引き続き使用できるとしています。内側のフチに細かな欠けがある場合も、食材に触れないことが条件。使う際は剥がれが広がらないよう注意が必要です。
つまり、「内側ならすべて不可」「外側ならどんな状態でも可」という単純な分け方ではありません。この判断はバーミキュラの案内であり、他社の鍋にもそのまま当てはめないでください。
また、有害物質の話と、剥がれた状態で調理してよいかは別の論点です。野田琺瑯は、表面が剥がれても素地が鉄なので有害物質は発生しないと説明しています。ただし、その説明を「どのメーカーの、どんな剥がれでも使用可能」という意味には広げられません。
特に落下後のヒビには注意が必要で、ル・クルーゼは鋳物部分までヒビが入った鍋について、破損してけがをする可能性があるため絶対に使わないよう警告しています。
市販のホーロー補修材で鍋を直してよい?

「ホーロー用」と書かれた補修材を見つけても、それだけで鍋に使えるとは判断できません。野田琺瑯の公式FAQは、市販のホーロー補修材を洗面台などの補修を目的とするものと説明し、口に入れるものを扱うホウロウ製品には使用を避けるよう明記しています。
見た目を埋められるかより先に、食品を扱う用途に適しているかが問題になります。
野田琺瑯の注意は「鍋の内側だけは使わない」という限定ではなく、食品を扱う家庭用品に対するものです。そのため、外側だから使ってよいとも読み替えられません。少なくとも同社の鍋では、市販補修材で欠けを覆って使い続ける方法は避けましょう。
ほかの鍋についても、ここでは食品用鍋への適合が確認できない補修材をおすすめしません。
メーカーの再ホーロー加工は、こうした自己補修とは内容が違います。バーミキュラでは製品を受け取って検品し、元のホーローをすべて剥がしてから内外面に加工を施します。「補修材で埋める」「汚れを落とす」「再ホーロー加工に出す」は、それぞれ別の作業。
剥がれを直したいときは、汚れ落としや表面を覆う処置を、メーカー修理の代わりにしないことが大切です。
焦げ・金属跡・もともとの黒い点を剥がれと混同しない
黒く見える場所があっても、すべてがホーローの剥がれとは限りません。バーミキュラは、凹みがある場合は剥がれの恐れがあり、逆に盛り上がっている場合は焦げが残っている可能性が高いと説明しています。これは見分ける目安であり、色だけで確定するものではありません。
食材に触れる部分の剥がれが疑われるなら、無理に削って確かめるのではなく、リペアの相談へ進みましょう。
野田琺瑯では、アルミ製やステンレス製のお玉・ヘラを使うと、金属が削れて付着し、グレーの線が付く場合があると説明しています。また、フチや表面の黒い筋・点には、製造時に上釉薬がかかりきらず下釉薬が見えているものや、焼成時に付いた点などもあります。
使い始めからあるこうした特徴と、落とした後に新しくできた欠けは同じ扱いにしないことが大切です。
ツヤがなくなった状態も、直ちに剥がれとは限りません。バーミキュラは、経年劣化や摩耗で内側がざらついた場合でも引き続き使用できる一方、食材がこびりつきやすくなったらリペアを利用するよう案内しています。
表面の色、欠けや凹み、こびりつきの変化を分けて見ると、「清掃で対処する汚れ」なのか「再加工を検討する傷み」なのかを考えられます。
ホーロー鍋の剥がれ修理を依頼する方法と費用
バーミキュラのリペア料金は製品別で、往復送料は別
バーミキュラの修理費用は、鍋のシリーズ・サイズ・形状によって異なります。下表は、2026年9月27日に確認した公式リペア料金表の掲載例です。ページの日付は2025年8月1日で、価格はすべて税込。リペア料金のほかに、往復送料1,500円(税込)がかかります。
| 対象製品・サイズ | 再加工の対象 | リペア料金(税込・送料別) |
|---|---|---|
| オーブンポット 1・18cm | 本体+フタ | 16,720円 |
| オーブンポット 1・22cm | 本体+フタ | 20,900円 |
| オーブンポット 2・18cm 深型 | 本体+フタ | 17,600円 |
| オーブンポット 2・22cm 浅型 | 本体+フタ | 20,460円 |
| オーブンポット 2・22cm 深型 | 本体+フタ | 21,890円 |
同じ22cmでも、オーブンポット 1と2、浅型と深型で料金が違います。直径だけで自分の鍋の料金を選ばないようにしましょう。上記は各サイズで料金表に掲載されているカラーの料金で、表にない製品はオーナーズデスクへの問い合わせが必要です。
修理と買い替えを比べる場合も、再加工代だけでなく送料を含めて検討してください。
オーブンポットとライスポット/ポットは、フタのみ・本体のみのリペアを受け付けていません。また、開梱時に鋳物自体の割れやヒビが確認された場合は対象外です。ホーローの剥がれには対応できても、鍋そのものの破損まで直せるサービスではない点は、料金を見る前提になります。
申し込みから返却までの流れと、色を変える場合の注意


- 公式リペアプログラム案内から専用申込ページへ進み、製品の情報を入力する
- 申し込みの3日後〜30日後から引取希望日を選ぶ
- 手持ちの段ボール箱に製品を梱包し、指定配送業者の引き取りに渡す
- メーカーでの検品・再ホーロー加工を経て、返却を受ける
オーブンポットとライスポット/ポットは、フタと本体を別々に包み、ひとつの箱にまとめて送ります。箱の隙間には新聞紙などの緩衝材を入れ、運送中の破損を防ぐよう案内されています。引取伝票はメーカーが手配するので、利用者側で用意するのは製品の梱包です。
公式の流れでは、製品を受け取って検品・再加工する工程から、約3週間後にリペア完了の連絡へ進む案内です。申し込んだ日から必ず3週間で手元に戻る、という意味ではありません。引き取りが予定どおりに完了しなかった場合や、仕上がりの都合で鍋の作り直しが必要になった場合は、お届けが遅れる可能性があります。
普段使いの鍋なら、手元を離れる期間も含めて予定を立てたいところです。
再加工時にはカラー変更も可能ですが、生産終了カラーや限定販売カラーは、同じ色に戻せません。現在販売しているカラーから選ぶ必要があります。また、オーブンポットのネーミング内容は追加・変更・削除ができません。
色やネーミング内容に思い入れがある場合は、カラー選択とネーミング内容の条件を申し込み前に確認しておきましょう。
ル・クルーゼは修理と保証を分け、購入店へ相談する
ル・クルーゼの鍋では、「LIFE TIME保証があるから、使って剥がれたホーローも無料で塗り直してもらえる」とは考えないでください。公式の修理・保証FAQは、修理やメンテナンスを行っていないことと、鋳物ホーロー製品に保証があることを別々に説明しています。保証の対象は製造上の不良に限られます。
使用による自然摩耗や、誤使用による不具合・破損、業務用での使用は保証対象外です。不良や不具合の問い合わせ先は購入店。購入店が不明な場合、海外で購入した場合、海外在住の場合は適用されないことがあり、国内外のアウトレット購入品はアウトレット規定に準じるため、この保証規定に該当しない場合があります。
「生涯」という言葉だけで判断せず、購入経路と不具合の内容を伝えて相談しましょう。
修理できない鍋では、まず購入店への相談で製造上の不良に当たる可能性を確認し、そのうえで買い替えを検討する流れになります。一方、バーミキュラなら、鋳物自体が破損していないことを前提に有料リペアが選択肢になります。
修理と買い替えのどちらがよいかは、費用に加え、返却までの期間、希望する色にできるか、元の鍋を使い続けたいかを合わせて考えるとよいでしょう。
修理後は火加減・洗い方・乾燥方法を見直す


直した鍋を長く使うためには、表面に負担がかかる使い方を見直すことも大切です。ル・クルーゼは、強い火力、空焚き、焦げ付き、急激な温度変化、金属ツールや硬い洗浄用具、落下・衝撃を、ひび割れや剥がれなどの原因として挙げています。
野田琺瑯も空焚きを禁止し、もし空焚きした場合は水をかけず、自然に冷めるのを待つよう案内しています。
調理器具は、野田琺瑯が勧める木製やシリコン製が選択肢です。洗うときは中性洗剤と傷の付かないスポンジを使い、金属たわしや研磨剤は避けます。焦げを硬いヘラなどで無理にこそげ取ると、ホーロー面を傷める可能性があります。
汚れが取れないからと力を強める前に、その鍋のメーカーが案内する焦げ落としへ切り替えましょう。
洗剤の扱いはメーカーで違います。バーミキュラは着色汚れに泡タイプのキッチン用漂白剤を使う手入れを案内していますが、野田琺瑯はアルカリ性洗剤や塩素系漂白剤について、ツヤを損ない劣化を早めることがあると説明しています。ル・クルーゼも漂白剤は光沢を失わせる原因になるとしています。
他社で紹介されている方法を、そのまま自分の鍋へ流用しないことが大切です。
洗った後は水分を拭き取り、乾燥させて収納します。ただし、乾かすために火へかけるのは避けてください。ル・クルーゼは、乾燥目的の加熱も空焚きとなり、ホーロー面の破損につながるため禁止しています。特に水分が残りやすいフチまで乾いた布で拭くことが、同社の案内するサビ予防です。
修理後の鍋にも、日々の手入れとして続けたい習慣ですね。
ホーロー鍋の剥がれ修理についてのまとめ
この記事のまとめです。
- ホーロー鍋の修理可否はメーカーと損傷の状態で異なる
- バーミキュラは食材に触れる部分の剥がれについて、使用を極力避け有料リペアを利用するよう案内
- バーミキュラの外側やフチの欠けは、食材に触れる恐れがない場合に継続使用が可能
- 野田琺瑯は食品を扱うホウロウ製品への市販補修材の使用を避けるよう案内
- 焦げの盛り上がり、金属跡、製造時からの黒い点は剥がれと区別する
- バーミキュラのリペア料金は製品別で、往復送料1,500円(税込)が別途必要
- オーブンポットとライスポット/ポットは本体とフタを一緒に依頼し、鋳物自体の割れ・ヒビは対象外
- バーミキュラの再加工には約3週間の工程案内があり、引取日や作り直しによって返却時期が変わる
- ル・クルーゼは修理を行わず、LIFE TIME保証も製造上の不良に限定
- 修理後は空焚き・急な温度変化・硬い用具を避け、洗剤はメーカーの案内に従う









