持ち手が一段上がった、ちょっと変わった形のアップシェンク包丁。いちばんの特徴は、まな板で切るときに、握った手が当たりにくいことです。グレステンで選ぶなら、小型で皮むき・スライス・きざみに使う14cmのホームペティと、肉や魚のスライス、ケーキのカットにも使う21cmのプロティが比較の軸になります。
私なら、まず「小さな包丁でまな板の作業もしたい」のか、「長い刃でスライスしたい」のかを考えます。見た目の面白さも魅力ですが、選ぶ決め手は普段の作業。ここでは形状のメリットと刃の性能を分けながら、型番や価格で迷いやすい点まで見ていきます。
- 握り手がまな板に当たりにくい形状
- 14cmホームペティと21cmプロティの用途別比較
- 型番・価格・左利き用の注文条件
- 試し切りとメーカーの研ぎ直しサービス
アップシェンク包丁の特徴と、14cm・21cmの使い分け
アップシェンクとは、握り手とまな板の間を確保する形状

アップシェンクは、ハンドルが刀身より高い位置に付いている形状を指します。十日町市の021TUMの紹介でも、まな板に握り手が当たりにくい構造として説明されています。「アップシェンク」という商品名の包丁が一種類あるというより、まずは持ち手の配置を表す言葉と捉えると分かりやすいでしょう。
14cmのホームペティ814TUMも、この形状を採用しています。正規販売代理店の説明では、皮むきだけでなく、スライスやきざみにも使える小型モデル。小さな包丁を探すとき、刃渡りに加えて「まな板に刃を下ろしたときの手の位置」が選択のポイントになります。
ただし、すべての普通のペティナイフで手が当たる、という意味ではありません。ここで確かめたいのは、アップシェンクの設計目的が自分の使い方に合うかどうか。今の小型包丁でまな板との間隔が気になる人には、注目する理由のある形状です。
手の当たりにくさと、ディンプルによる刃離れは別の特徴
グレステンの包丁で目を引く、刀身のへこみ。これは食材離れに関わるディンプル加工です。メーカーは、独自のディンプル構造が食材の貼り付きを抑え、軽やかな切れ味を生み出すと説明しています。021TUMの紹介では、へこみ部分に空気が入ることによる刃離れの良さも挙げられています。
| 特徴 | 関わる部分 | 説明されている役割 |
|---|---|---|
| アップシェンク | ハンドルの位置 | 握り手がまな板に当たりにくい |
| ディンプル加工 | 刀身のへこみ | 食材の貼り付きを抑え、刃離れを良くする |
| 独自の熱処理 | 刃の鋼材 | 耐食性・耐摩耗性や切れ味の持続性などを生み出す |
つまり、「持ち手が上がっているから食材がくっつかない」と結び付けるのは正確ではありません。手とまな板の間隔に魅力を感じるなら形状を、食材の貼り付きが気になるなら刀身の加工を見ます。また、メーカーの表現は貼り付きを「抑える」というもの。どんな食材でも一切くっつかない、と期待するのは避けたいところです。
小型の14cmホームペティか、長めの21cmプロティか

皮むきからまな板でのきざみまで、小型の一本を使いたいなら814TUM。肉・魚・刺身のスライスやケーキのカットなど、長めの刃を使う用途を重視するなら021TUMが候補です。どちらもステンレス一体型ハンドルで、アップシェンク形状を採用しています。
| 比較項目 | ホームペティ814TUM | プロティナイフ021TUM |
|---|---|---|
| 刃渡り | 14cm | 21cm |
| 販売代理店が挙げる用途 | 皮むき・スライス・きざみ | 野菜や果物の皮むき、魚・肉・刺身のスライス、ケーキのカット |
| ハンドル | ステンレス一体型 | ステンレス一体型 |
| 選ぶときの軸 | 小型で幅広い下ごしらえをしたい | 長めの刃を使うスライス作業を重視したい |
021TUMは、正規販売代理店が業務用にも勧めているモデルです。同店は、牛刀などに比べて軽く扱いやすく、刃が薄いため切れ込みがスムーズだと説明しています。ただし、「牛刀などとの比較」を14cmのホームペティとの軽さ比較に置き換えることはできません。長さと重量は、それぞれ別に見ておきたい仕様です。
「プロ用のほうが家庭用より上なのでは」と迷う必要もありません。メーカーのFAQでは、家庭用とプロ用で違うのは、用途や作業量に応じた刃渡り・幅・柄の大きさで、焼入れと基本構造は同じと説明されています。家庭で選ぶときも、プロ用という呼び方より、実際に任せたい作業を優先したいですね。
デメリットは?形状だけでは判断できない使い勝手と対応範囲
購入時に悩みやすいのは、同じアップシェンクでもサイズが違うことです。14cmと21cmでは、選ぶ前提となる刃の長さが異なります。小型であることを重視していたのに、用途が多く書かれているからと21cmへ替えると、もともとの希望とずれるかもしれません。
反対に、長めの刃を求めているなら、14cmの小ささがそのままメリットになるわけでもありません。
また、商品説明の「万能」は、あらゆる食材や作業に無条件で対応する保証ではありません。814TUMには皮むき・スライス・きざみ、021TUMには肉や魚のスライスなどの用途が示されていますが、それだけで冷凍食材や骨の切断まで対応すると判断することはできません。
こうした作業への適否は、本記事では確認できていません。
アップシェンク包丁の購入前に見る型番・価格・手入れ
814TUMと814TUMMの表記、価格や重量の違いを確認する
検索すると814TUMMという表記も出てきますが、メーカーのホームナイフ一覧に掲載されている型番は814TUMです。正規販売代理店のページはタイトルが「ペティ814TUMM」、本文の商品番号が「814TUM」となっています。
同様に、プロティのページもタイトルは021TUMM、本文は021TUMです。この表記差だけで、別製品や旧型・新型だと決めつけることはできません。
| 掲載先・対象 | 2026年9月22日に確認した税込価格 | 価格の区分 |
|---|---|---|
| メーカーの814TUM | 17,600円 | メーカー価格表 |
| 正規販売代理店の814TUM | 10,780円 | 販売価格 |
| 正規販売代理店の021TUM | 19,096円 | 販売価格 |
価格表と店頭・通販の販売価格は、区別して見ましょう。代理店の814TUMページには定価15,400円とも記載されており、メーカーの価格表とは一致しません。更新時期などの理由は断定できないため、「定価から何%お得」とは評価せず、注文画面で適用される販売価格を基準にするのが確実です。
代理店の両商品ページでは、この確認時点で送料無料サービスも案内されています。
814の重量はメーカー一覧で143g、代理店の814TUMでは約140gです。メーカーの814欄には複数の型番が並び、重量の個別内訳は示されていません。一方、代理店は重量に多少の誤差があると注記しています。
数グラムの違いを別モデルの証拠にはせず、軽さを厳密に重視するなら対象型番の実物で確かめたいところです。代理店に記載された814TUMの全長は約26.5cm、021TUMの重量は約173gです。
左利き用はある?型番と販売店ごとの注文条件

ホームペティには左利き用があります。メーカーが814TUMの左利き用として載せている型番は814TUMLで、2026年9月22日に確認したメーカー価格表では税込19,360円。左利きだから候補から外す必要はなく、注文対象を左利き用の型番まで絞って探せます。
正規販売代理店の814TUM・021TUMページでも、左利き用を扱っています。同店では購入時に利き手を選択し、原則として在庫を持たずにオーダー製作。納期は工場の状況で変わるため、受注後に確認して連絡するという案内です。
プレゼントなどで必要な日が決まっている場合は、価格と同じくらい納期が大切になります。
なお、この代理店の左利き用価格は、一部商品を除き表示価格の20%増しという独自の案内です。メーカーの左利き用価格表と混ぜて計算しないようにしましょう。また、同店にはWタイプの左利き用は注文前の連絡が必要で、20%増しにはならないという例外もあります。
刃タイプを変更する注文では、通常の左利き用と同じ条件だと思い込まないことがポイントです。
814TUML を探す
握り心地が気になるなら、試し切りの機会を探す
特徴のある形なので、手に持って選びたい人もいるでしょう。メーカーは、全国の百貨店で行う「Glestain Premium」の販売・包丁研ぎ会で、試し切りができると案内しています。メーカー公式サイトに販売会の案内があります。
ただし、この案内だけで814TUMや021TUMがすべての会場に並ぶとはいえません。目当ての型番を試したい場合は、取扱いと試し切りの対象を先に問い合わせるとよいでしょう。プレミアム商品の販売会であることと、通販で検討中の型番を試せることは、分けて確認する必要があります。
対象モデルを試せるなら、見たいのは手とまな板の間隔、14cmまたは21cmという刃の長さ、握ったときの重さです。アップシェンクの特徴が、自分の普段の作業でうれしい違いになるかどうか。評判の良さだけで決めず、購入理由にした特徴を実物で確かめる機会として使いたいですね。
研ぎ直しはメーカーへ依頼できる?料金と預ける期間

購入後の切れ味が気になるときは、メーカーの工場研ぎを利用できます。公式FAQで示されている研ぎの頻度は、使用頻度にもよるものの、大体半年に1回。全員が必ず半年ごとという決まりではなく、使う頻度を含めた目安です。
2026年9月22日に確認した工場研ぎの税込料金は、グレステン製品で刃渡り14cmまでが1,210円、24cmまでが1,870円です。14cmの814TUMと21cmの021TUMは、それぞれこの区分に当たります。
送付時の送料は依頼者負担で、返却時にも刃研ぎ代金と送料の支払いが必要になるため、研ぎ料金だけを総額とは考えないようにしましょう。
工場研ぎは申し込み不要で、包丁を送付する方式です。メーカーは配送中に包丁が飛び出さないよう厳重な梱包を求め、購入時のケースや箱の利用を案内しています。作業開始から完了までは約2週間。往復配送まで含めて2週間で戻るという意味ではないので、手元を離れる期間も見込んで依頼しましょう。
送付先などは公式の工場研ぎ・修理案内で確認できます。
百貨店の販売会でも包丁研ぎを行っていますが、所要時間は会場によって異なります。こちらの掲載料金は、グレステン製品で14cmまで880円、24cmまで1,540円(税込、同日確認)で、工場研ぎとは別の料金表です。近くの会場へ持ち込むか、工場へ送るかを選べるのは、長く使う道具としてうれしい点。
最初の一本は、こうした維持のしやすさも含めて選びたいですね。
アップシェンク包丁の選び方まとめ
この記事のまとめです。
- アップシェンクはハンドルが刀身より高く、握り手がまな板に当たりにくい形状
- 食材の貼り付きを抑えるディンプル加工は、持ち手の形状とは別の特徴
- 小型で皮むき・スライス・きざみに使うなら14cmの814TUMが候補
- 長めの刃で肉や魚のスライス、ケーキのカットをするなら21cmの021TUMが候補
- 家庭用とプロ用は用途や作業量に応じた大きさが異なり、焼入れと基本構造は同じ
- 冷凍食材・骨への適否や食洗機対応は、万能という説明や材質だけでは判断できない
- 814TUMMなどのページタイトルと本文の型番表記には違いがあり、旧型・新型とは断定できない
- 814TUMの左利き用は814TUML。販売店ごとの価格・製作期間・刃タイプの例外を確認
- 百貨店の販売会には試し切りの案内があるが、目当ての型番を試せるかは事前確認が必要
- メーカーの工場研ぎは有料で送料も必要。作業開始から完了まで約2週間が目安









